自己免疫疾患はT細胞ネットワーク統制の乱れ:Foxp3とPtpn22
2007年 01月 22日
“Cracking open the black box of autoimmune disease”(Whitehead Institute for Biomedical Research 2007 News Story)
Nature, January 21, 2007が論文(“Foxp3 occupancy and regulation of key target genes during T-cell stimulation”)とのこと(本日の時点で掲載確認できず:http://www.nature.com/nature/index.html)
免疫防御システムはしばしば軍隊のように表現され、T細胞たちは、最前線の兵士であり、侵略者から体を守る、防御ネットワークを構成する。このT細胞はregulatory T細胞と呼ばれる2番目のグループで命令を受けるのである。
regulatory T細胞は、生物学的な“fridendly fire”を予防し、T細胞が自分の体の組織を攻撃しないようにしているものである。
このregulatory T細胞が前線の兵士ををコントロールし損ねて自己免疫疾患を生じる
regulatory T細胞がFoxp3と呼ばれるmaster gene regulatorにより制御されているということを以前に報告されており、master gene regulatorが特異的に遺伝子に結合し、その活動性レベルを調整、細胞の振る舞いに影響を与えている。
実際、Foxp3が機能を停止しているとき、体はもう、機能するregulatory T細胞を作らないのである。前線のT細胞は多臓器を傷害し、I型糖尿病、Crohn病の症状を生じる。
しかし、現在まで、科学者はFox3の範囲下ではたらく実際の遺伝子についてほとんど治験がなかったのでFoxp3制御regulatory T細胞についての理解がまだ無かったのである。
Richard Young Whitehead lab.の研究者たちは、Harald von Boehmer of the Dana-Farber Cancer Instituteの免疫学者と共同で、DNA microarray技術を用いT細胞の完全genomeのスキャンをおこない、Foxp3による制御される遺伝子の部位特定を行った。
ほぼ30の遺伝子であり、直接Foxp3により制御され、一つはPtpn22とよばれ、特に親和性が高いものである。
Ptpnは1型糖尿病、リウマチ、ループス、Graves病と特に関係があり、この遺伝子はregulatory T細胞機能と関連を提示されていたものではなかった。
by internalmedicine | 2007-01-22 10:02 | 内科全般