卒中治療:予防が一番、発症したときはStroke Unitへ

日本の医療の最大の問題点・・・システム

そして、救急に関しては、システム自体がないか、機能障害を生じている・・・そのシステムの問
題点を棚に上げて、結果的には医師個人に責任を押しつけようとする司法・メディア・行政・・・

行政の議論は表面的で、ヘリコプターを配備すればそれでよいとでも思ってるような無責任さ


脳卒中になったときどのような病院に運ばれるかは、日本では一般的には運次第。
Stroke Unitを整備するのは行政の責任であり、国の責任である。
・・・経団連の主張ばかり聞かずにたまには国民の健康のことも考えてはどうか?・・・安倍総理殿

Lancetは卒中特集・・・

Stroke―prevention is better than cure
The Lancet 2007; 369:275-282

地球に65億人住んでいるわけだた、低めに見積もって推定1%が死亡しているわけで、5900万人が死亡している。
10%が卒中が原因で、他に障害がのこることとなる。
この2月に、 International Stroke ConferenceがSan Franciscoで開かれ、遺伝学、予防、診断、治療に関する研究の進歩を含むものが討議される。

不幸なことに、alteplaseのみが虚血性卒中治療の唯一の認可治療である(あくまでイギリスのお話)。3時間以内投与にて有効性があるという論文以来10年以上経過した。しかし、投与されbenefitがある比率がわずかであり、STS-MOSTで、安全性と有効性が示されていた。
しかし、最良のQOLを供給する必要性があることに卒中研究者の多くは同意するだろう、
理想的には卒中センターでMRIを行い、治療を集約的に行うことが望まれることになる。
Julio Chalelaらによると、CTより、急性虚血、急性・慢性出血性病変の同定にMRIがすぐれているという報告。急性虚血性卒中、SAHのセミナーなどを含む卒中論文の特集がLancetでくまれている。


“高血圧、食事の貧困、タバコを減らす介入が、血栓溶解や抗血小板より多くのヒトを救う”
WHOによると、87%が収入の少ない国で500-700万人が死亡し、ここでは高価な薬剤は使用困難である。Kathleen Strongらは世界的目標を2%減少としている。そして2005年から2015年までに640万人死亡数を減少させようというもの。


◆Thrombolysis with alteplase for acute ischaemic stroke in the Safe Implementation of Thrombolysis in Stroke-Monitoring Study (SITS-MOST): an observational study
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140673607601494/

14カ国多施設の6483名の患者で
プライマリアウトカムは、有症状の脳内出血(2型、24時間以内)と3ヶ月後の死亡率
24時間後の脳内出血は1.7%(107/6444 95%CI 1.4-2.0)
7日後Cochrane定義では7.3%(468/6438 6.7-7.9) vs 8.6%(40/465)
3ヶ月後死亡率は11.3%(701/6218) vs 17.3%(83/479)

結論としては3時間以内のalteplase注射のルーチン使用は安全で有効


◆MRI better than CT for the detection of stroke

Magnetic resonance imaging and computed tomography in emergency assessment of patients with suspected acute stroke: a prospective comparison
The Lancet 2007; 369:293-298

356名の患者で急性卒中、急性虚血性卒中、慢性出血がCTより多く検出 (p<0・0001, for all comparisons).
MRIは急性の脳内出血の検出ではCTと同様。
3時間以内の患者に絞るとMRIの虚血性卒中検出:41/90(46% 35-56%)
CTでは6/90(7% 3-14%)
最終臨床診断比較で行くと、感度:MRI 83%(181/217; 78-88%)、CT 26%(56/217; 20-32%)



◆Stroke-unit care associated with a reduced risk of death and disability
Stroke-unit care for acute stroke patients: an observational follow-up study
he Lancet 2007; 369:299-305

48時間以内の入院患者11572名;卒中ユニット(4936)と通常の病棟(6636)とを観察研究比較
病院死亡1576名、2169名がフォローアップ中死亡、347名がフォローアップできず
卒中ユニットでは通常病棟に比較して死亡蓋然性・障害状態蓋然性減少 (オッズ比 0.81, 95% CI 0.72- 0.91; p=0・0001)

潜在的利益は全年齢層、臨床状態でみられ、意識無しのひとのみ例外

急性卒中では48時間以内に卒中ユニットに搬送されることが推奨される・・・

by internalmedicine | 2007-01-27 10:36 | 医療一般

 

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