新しい睡眠薬への開発:オレキシン遮断薬
2007年 01月 30日
新しい化合物である、ACT-078573はorexinの働きをブロックし、イヌ、ラット、ヒトに与えたとき、覚醒減少、睡眠までの時間短縮をもたらした。
スイスのbiotech companyの研究者が報告とのこと
Jenck F., et al. Nature Med., doi:10.1038/nm1544 (2007).
睡眠薬は傾眠だけでなく、筋肉緊張の減少をもたらし、極端な場合は、数分虚脱し、凍った状態を維持することとなる。笑いがしばしばこの虚脱のきっかけとなるらしい。
この新しい化合物は、睡眠障害に対する副作用の少ない新薬となることが期待されているらしい。
筋緊張の低下が見られず、共調運動機能の低下、幻覚、睡眠・覚醒時によくみられる問題点も見られないという。ただし、この結果は予備的であり、より長い期間の安全性と有効性の調査が必要
カリフォルニアのスタンフォード大学の睡眠研究者である、Seiji Nishinoは42名の睡眠障害を有しない被験者に、単回投与したが、多くの睡眠薬は、長期治療が必要で慢性の異常睡眠という害を与える。
オレキシン濃度が高い日にこの化合物は睡眠をもたらすが、すでにorexin濃度が自然に低い場合も同様な効果が見られる。
Nishinoは、ナルコレプシー診断患者では昼間の睡眠陥落を経験しはじめた6-12ヶ月まで、突然の筋緊張低下を経験しない。脳内のorexinが枯渇するまで近位区の緊張は保たれているからではないかと述べている。
orexin類は食欲、報酬の情を調整に関与しているわけで、副作用としてのの可能性がある。すなわち、体重維持や薬剤依存など。
オレキシンと言えば、オレキシン類が欠乏することによりナルコレプシーを生じる可能性が報告されている。
そういえば、そろそろ・・・田辺製薬からモダフィニルはオレキシン神経を賦活化させ、この結果覚醒を促進させると考えられるModafinilが発売されるはず
by internalmedicine | 2007-01-30 09:40 | 医療一般