静脈血栓塞栓症の新しいガイドライン

American Academy of Family Physicians と American College of Physiciansのジョイントによる静脈血栓塞栓症新規ガイドライン

2003年の包括的エビデンスのシステミックレビューで、EBPセンターでアップデートされたものが大元
最終の診断ガイドラインはQuality EPC(Evidence-Based Practice Centers)プログラムに基づき、下肢の深部静脈血栓(DVT)や肺塞栓の診断を手助けするよう設計されたもの


【推奨1】
The Wells prediction rulesは、より確実な試験を行う前の静脈血栓塞栓の可能性推定のためにしばしばもちいられるもの

Wells prediction ruleは静脈性血栓塞栓症の既往のない若年者により有効。老人や合併症のあるヒトでは臨床的に用いなければならない


【推奨2】
pretest probabilityが低いと適切に選択された患者では、高感度D-dimerは合理的なオプションとなる。もし、陰性なら、静脈血栓塞栓の尤度は低いことを表す。同じく、静脈性血栓塞栓のpretest probabilityが低い患者では、陰性の好感度D-dimerテスト陰性なら高Negative predictive valueとなり、さらなる画像診断の必要性が低くなる。


【推奨3】
超音波は下肢のDVTのpretest probabilityが高い有症状患者で推奨

超音波はふくらはぎに限定した場合は感度は低い。故に、超音波検査陰性だからといってDVTを除外できない。静脈造影検査はDVT除外確定にまだ必要である。



【推奨4】
肺塞栓の中間~高pretest probablilityの患者では画像診断必要

換気血流スキャン、MDヘリカルCT、肺血管造影を含む検査の必要性

CT単独では不十分という最近のレビュー

CTの正確性は技術開発で改善している



"Current Diagnosis of Venous Thromboembolism in Primary Care: A Clinical Practice Guideline from the American Academy of Family Physicians and the American College of Physicians" Ann Fam Med 2007; 5:57-62.
Quaseem A, et al


"Management of Venous Thromboembolism: A Clinical Practice Guideline from the American College of Physicians and the American Academy of Family Physicians" Ann Fam Med 2007; 5: 74-80. Snow V, et al


"Review of the Evidence on Diagnosis of Deep Venous Thrombosis and Pulmonary Embolism" Ann Fam Med 2007; 5: 63-73. Segal JB, et al

by internalmedicine | 2007-01-31 08:42 | 動脈硬化/循環器  

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