因果的効果:マクロライド系抗生物質の耐性化
2007年 02月 09日
多くの経済研究で抗生剤使用と耐性の関係が明らかになってきたが、特定の変数による影響をみたものであり、最善でもその研究は相関についてであり、因果的効果 (causal effect:説明 pdf) のものではなかった。
Effect of azithromycin and clarithromycin therapy on pharyngeal carriage of macrolide-resistant streptococci in healthy volunteers: a randomised, double-blind, placebo-controlled study
The Lancet 2007; 369:482-490
2つのマクロライド、clarithromycinとazithromycinは呼吸器感染症の選択薬である。抵抗性の分子メカニズム、抗生剤使用と抵抗獲得の問題は重要である。
両マクロライドはすべてのポイントでプラセボ比較にてマクロライド抵抗性肺炎球菌の比率増加
・clarithromycin群は8日めがピーク (mean increase 50·0%, 95% CI 41·7–58·2; p<0·0001)
・azithromycin群は4日目 (53·4%, 43·4–63·5; p<0·0001)
マクロライド抵抗性球菌比率はclarithromycin使用後よりazithromycin治療後の方が高く28日目にて有意差があり (17·4% difference, 9·2–25·6; p<0·0001).
clarithromycin使用では、azithromycin群にない erm(B)遺伝子がselectされており、高レベルのマクロライド抵抗性と関与している。
by internalmedicine | 2007-02-09 17:03 | 感染症