対ガン予算削減でアメリカは憂える・・・それにしても日本の対ガン予算の少なさよ


比べてみれば分かるが、アメリカの対癌研究予算1%削減と日本の対癌研究予算がほぼ同等

Lancetのエディトリアル(The Lancet 2007; 369:531)では体ガン研究予算削減による具体的影響を憂えている。

日本の研究者はおとなしいのだろう。あるいは、トップに危機感がないのだろうか?

そりゃ、研究者はアメリカに逃げるのがあたりまえ。日本の過剰な土木建設への投資は結局維持費などへ膨大な借財をふくらまし続けるのだが、まともな政治家がこの種の予算を公共工事の1割でも与えていたら、これが日本を富ましていただろうと、考えると土建政治が日本をいかにだめにしたか・・・
米国国立衛生研究所(NIH)2007 年度予算教書の概要

日本の平成19年度厚生労働省所管予算案関係
http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/07syokan/index.html日本の癌研究予算:87億円

Exemestaneはcromatase阻害剤の一つで乳ガン治療に有望である(ls/lancet/article/PIIS0140673607602001/abstract">The Lancet 2007; 369:559-570)が、リスクがないわけではない。今月のLancet Oncologyにてtaomoxifenからexemestaneへスイッチすることは骨塩にとって破壊的影響を及ぼすことが示された。
USのFDAは乳ガンのdisease-free survivalに関してテストすべくマーケッティングに明らかにした。

microarray分析で、70の遺伝子の活性が乳ガンの再発と関連があることが示された。

女性のリスク推定のスコアが作成されている。


FDAはこのテストを用いるガイダンス作成をプラン中であるが、より利用性の高い類似試験を提案している。

World Reportで注目されたとおり、USAの癌死亡数は減少傾向であり、統計学的なflukeというわけではない。
検診や治療の改善、特に大腸癌・乳ガンが、死亡率減少に寄与していると思われる。

NCIへの予算を1%、3600万ドルカットするというBush大統領の短期視点を憂える
このカットはaromatase抑制剤が乳ガンに役立つかどうかを評価することへの影響があるのである。

また、予算カットは肉腫などのより稀な悪性腫瘍への影響を危惧する・・・・

by internalmedicine | 2007-02-17 09:36 | 医療一般  

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