あるある(Aruaru)は国際用語へ?・・・Nature掲載:規制と外部監視機関が必要

Nature podcast(http://www.nature.com/nature/podcast/index.html)も聞いてほしい・・・簡単な実験を行っている。

関西テレビの社長はまだ辞めていない・・・あれだけ、不二家を批判していながら・・・自浄作用のない会社は取りつぶすしかないのでは?もっとも社長のクビのすげ替えだけで、内情は一緒というのでは、それも???だが・・・他局でも関連会社への出向だったり、名誉職を得たりするだけでは意味がないのかもしれない。

フジテレビと関係の深い産経新聞をみて驚いた・・・彼らは何も反省してないどころか、放送内容の検閲をさせないという既得権維持に懸命な醜態記事を掲載しているのである。

この種の疑似科学的な番組内容は国家的にも損失をもたらすのであり、規制すべきであり、自主規制では不可能(今回のAruaru問題は自主規制BPOなどは何の効力も発していなかったという証明だろう)、なんらかの監視機関が必要という結論はすでにでているのである。現時点でも、総務省はそれを指導していないのである。政治家と各メディアや電通などのメディア関連へのつながりのためだろうか?非常に歯がゆい思いをしている国民は多いと思う。

民放BSや早朝、午後の民放地上波にCMとも、通常の番組とも峻別されてない、もfakingscienceが堂々と未だに放送されていることなどあわせ考えると、収入の激減を心配しているのではないかと想像・・・・・・もともと公共である電波を一団体が私利私欲だけのために使用し、結果的に国民の財産・健康を奪う元になるなどというのは、決してあってはならないはずなのだ。これほどの利権・既得権というのは他業種にはないのである。


国際的に恥さらしであるという証明・・・Natureという一流科学雑誌にこの“Aruaru”問題が記載された。


“Japanese TV show admits faking science”
http://www.nature.com/nature/journal/v445/n7130/full/445804a.html
自分たちの研究をマスメディアへ語る科学者にとって、日本のテレビ・ショーに係わるスキャンダルによりいかに物事が悪く運ぶかを端的に示すものであった。
関西テレビ会社(KTV)は、番組の一つで科学的結果を偽造し、外国人のしゃべりに偽りのアフレコを上乗せしてたと認めた。日本のメディアからの抗議のあと、会社は番組の継続をとりやめ520エピソードをレビューしている。

被害者の1人、Dr Kimは・・・(中略)

あるある(Aruaru)のエピソードを含み、あきらかになったことは、「味噌は効果は薄いが、明瞭な神経学的な影響を与えるといったまで」と述べ、醸造醤油が容易に消化され、動物のえさとして有益であるということを説明し続けている。

神経学学者であり、学会会長である金沢一郎氏は
「the council's guidelines on academic fraud should apply to anyone doing experiments, even for television shows」
たとえ、テレビショーといえど、学術的詐欺(academic fraud)に関する学会ガイドラインを適応すべきである
というステートメントを発表

テレビ局によりなされるガイドラインを楽観視できないとして、「彼ら(テレビ番組製作側)の目標は科学的真実をもとめることではなく、巨大な圧力がかかっているのである」と述べている。
(製作サイドへの経営・金銭的利得からの圧力ではないかと想像するが・・・)

みえすいた「あるある」のような例は稀としても、科学的な真実を超え、熱狂的に聴衆を先導することを制限することが日本ではなされていない。
去年、Brainiac(科学乱用、英国人気科学番組)で、セシウムとルビジウムによりわかした入浴水を勧めるエピソードを要因にした。Sky Oneという番組シリーズでは科学者が立ち会っていたが、娯楽性優先となっていたというステートメントを発表している。



今回の“被害者”であるKimらはNatureの取材にも慎重になっており、それが今回の事件の収穫であったと述べているのは皮肉だろう。

日本人で番組に出演している“科学者”たちは、自らそれを発見する機会があったはず。
なぜいままで番組に対して批判をせず、そして今頃になり批判しているのはなぜか?・・・疑問に思うのはとうぜんだろう。かれらの所属する専門学会で何らかの処分が下されるべきだろうし、下されない学会は学会の体を呈していないと言える。



関係と思われる記事:
「TV現場も科学者規範を」 「納豆」問題で学術会議
2007年01月26日
 テレビ番組の制作現場にも「科学者規範」を――。関西テレビ制作の「発掘!あるある大事典2」のデータ捏造(ねつぞう)問題で、日本学術会議は26日、テレビ番組などで科学実験の計画や実施にかかわる人は同会議の「科学者の行動規範」を守るべきだ、とする金沢一郎会長の談話を発表した。

 同規範は、国内のすべての科学者と技術者が対象で、相次ぐ科学論文の不正を防ぐため、昨秋発表された。研究内容の説明と公開、データの厳正な取り扱い、不正を防ぐ研究環境の確立などを求めている。談話では「国民への影響の大きい番組で捏造などの不正があれば、科学そのものに対する信頼を著しく傷つけかねない」としている。

 一方、日本民間放送連盟(広瀬道貞会長)も同日、加盟するテレビ・ラジオ201社に対し、番組での正確な情報提供やチェック体制の点検などを文書で要請した。また、民放労連(碓氷和哉委員長、組合員1万1千人)も同日、事実関係の徹底的な解明や放送での公表、ゆとりある制作環境などを求める見解を発表した。

by internalmedicine | 2007-02-22 09:03 | メディア問題  

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