冠動脈微小循環障害

参考になった

冠循環:http://wwwsoc.nii.ac.jp/psj/jpsj/06606/066060188.pdf

NEJM Volume 356:830-840 February 22, 2007 Number 8
冠動脈系は3つのコンパートからなる
1)Conductive arterioles: proximal compartmentは大きな心外膜冠動脈であり、capacitance functionを有し、冠動脈血流に関しては抵抗が少ない
直径は500μm~2~5mm
2)Prearterioles: intermediate compartmentはprearteriole(前細動脈)であり圧力がその長軸方向に次第に減少する。この血管は、心外膜にあり、心筋壁の厚さのため、拡散性の心筋代謝産物による直接の血管運動支配下にない
直径は100-500μmで、冠動脈潅流圧や流量変化があったときに狭い範囲で細動脈由来の圧力調整が特異的に行われる
3)arterioles: more distal compartmentは壁内の細動脈であり、末梢に行けば圧力が急激に低下する領域である。直径100μm未満であり、機能は心筋酸素供給と酸素消費のマッチングがなされる。
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臨床分類(冠動脈微小循環障害)
・閉塞型CAD・心筋疾患の無い型:伝統的な冠動脈リスク要因(喫煙、高血圧、高脂血症、糖尿病、インスリン抵抗性)の組み合わせ。非侵襲的は冠血流にて同定。一部は可逆性で、リスク要因の減少の治療評価目的に使われることもある

・心筋疾患の存在する型:筋層内の細動脈のremodelingにより生じることが多い。観血的、非観血的方法により同定され、心筋虚血を生じるに十分に重症なこともある。独立した予後因子となる。薬物治療により可逆的となるかどうか不明のまま。原発的・遺伝的心筋症(拡張・肥厚性など)と二次的な心筋疾患(高血圧・弁膜性)となることもある

・閉塞型CADの存在する型:安定CADや急性冠障害(ST上昇・非上昇)で生じ、無数の要因が存在する。観血的・非観血的方法の組み合わせと臨床的所見の組み合わせで同定。前2つの病態と分離困難となる場合もある

・医原性:血管再建後生じるタイプで、血管攣縮、遠位側塞栓により生じる。冠動脈血流の観血的・非観血的方法で同定。再建後数週でで突然一過性に生じる。薬物治療で迅速に血流は回復し、臨床的アウトカムは変化しうる。


測定方法:
人のin vivoでの冠動脈循環を直接視覚化する方法はない
冠動脈循環を通して血流を定量化する方法は主に冠動脈微小血管の機能の記載である
冠動脈流は特定の血管を通る、一定の時間あたりの流量の測定方法であり、分あたりmlで表現される。冠動脈内thermodilutionによる方法、冠動脈内Doppler wireによる超音波を用いる方法。
Thrombolysis in Myocardial Infarction (TIMI) frame countは流量を定量化できないが、比較目的に用いられる。秒25-30のシネ血管フレームの数により決定できるという単純なもの。経胸壁エコーにて冠動脈血流の非侵襲的方法も用いられている。

心外冠動脈の流量測定には有効だが、冠動脈血流は微小血管床の流量の間接的測定に過ぎない。より複雑であり、いくつかのアプローチは試みられてはいる。
TIMI心筋潅流gradeはもっとも簡単で、相対的な濃度で記載するものである。0-3までスケール記載。

心筋の濃染が強くなればなるほど、クリアランスが早いほど、潅流が良好と言うことになる。

PETによる心筋血流測定、容積あたりの血流量の定量化計算(ml/min/gm組織)

MRIや経胸壁エコーで造影剤を注射後定量化する方法

冠動脈血流予備能は基礎的冠動脈血流から(アデノシンやヂピリダモール注入により到達できた)最大冠血管拡張後へ到達できる冠動脈血流量増加の程度で表現:流量抵抗は微小血管により決定されるので、冠血流予備能は刺激による微小血流の能力を測定し、微小血管の機能と想定される。

通常、2未満は異常と考える。年齢、性別により冠動脈血流は変化する。故に、補正が必要である。

by internalmedicine | 2007-02-22 14:04 | 動脈硬化/循環器  

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