ライノウィルスは単なるかぜのウィルスではない

5歳未満の子供で、1000人対約5名がライノウィルス関連の入院であるとCDCとRochester大学(N.Y.)による発表

PCRによる検査にてライノウィルスは単なるかぜウィルスではないことが次第に認知されるようになった。子供の中耳炎・副鼻腔炎、喘息の急性悪化に重要ということが今更ながら判明した。

前向きの住民ベースの研究で、ライノウィルス26%で見いだされ、乳幼児・小児の重大な急性呼吸器症状のウィルスであるRSで20%であるので、負けず劣らず子供にとって重大なウィルスということになる。


592名の子供のうち
rhinovirus 26%(156)で、1000名の入院対4.8(95%CI 4.3-5.2)


年齢特異的な比率は
0-5ヶ月  17.6 (95% CI, 14.9-20.6)
6-23ヶ月 6.0 (95% CI, 5.0-7.0)
24-59ヶ月で 2.0 (95% CI, 1.6- 2.4)

喘鳴・喘息の既往小児では有意にライノウィルス関連の入院が多い
(病歴有り (25.3/1000 children [95% CI, 21.6 29.5/1000 ] vs 病歴無し(25.3/1000 children [95% CI, 21.6?29.5/1000 ])

The Journal of Infectious Diseases 2007;195:773-781



ライノウィルスは単なるかぜのウィルスではない。
Turner RB. "Rhinovirus: More than Just a Common Cold Virus." J Infectious Dis. 2007; 195: 65-6.
ライノウィルスはかぜ症状の患者から50年前分離され、普通感冒の80%までライノウィルス感染に関連とされる。普通感冒は医学的な後遺症とはあまり関係ないが、中耳炎1/3、中耳浸出物のある場合の25%、細菌性中耳炎といわれている事例でも当初に関連し細菌に入れ替わるなどの問題もある。
学童期の喘息悪化要因、下気道感染症状と関連。


by internalmedicine | 2007-02-24 12:23 | 呼吸器系  

<< 救急医療における終末期医療のあ... negative life e... >>