アンチ・エイジング治療 


Cleaveland Clinicの啓発記事はとても役立つ・・・なかなか日本では断言していない一般向け記事が書かれているからだ。
What you can do to live a long and healthy life
加齢というのは、体の多くの部分に関係する、いろんな要素が組み合わさり、複雑なプロセスである。加齢をもたらすすべてを治療できる製品や錠剤、水薬などがあるはずもない。
以下の事に注意して慢性疾患を予防することにつきるのである

果物や野菜を豊富に含む様々な食べ物をとること
健康体重を維持すること
毎日運動をすること
いざとなったときの適切な医療機関を差がしておくこと
サンスクリーンを用いること
禁煙と間接喫煙を避けること
ガンや心臓疾患などの検診を受けること
友人家族と密接な関係にしておくこと

あなたの医師と、健康状態を維持するよう、密接な関係をつくり
加齢を遅くしたり、若返るなどといった製品について、その内幕を質問してみよう。
誇大宣伝や真実の手助けになるだろう。

と、書かれている。

Anti-aging therapies: Too good to be true?
アンチ・エイジング治療: 真実であるほど良いのか?
http://www.mayoclinic.com/health/anti-aging/HQ00233

宣伝ではすごく良いという事実のごとく聞こえる:すべきことは錠剤を服用することで、すぐに筋肉が増強され、若いエネルギーでいっぱいになることを見いだすような・・・宣伝・・・その結果、財布をすっかりにからにして、証明されていない治療により体を傷つける事になるであろうことは宣伝では述べられてない。

老化作用の理解は完全ではないし、科学者たちは、老化の影響を逆にすることができる「特効薬」をまだ見つけていません。
誇大広告と科学を区別する手段、それは、どんなものでも、そのエビデンスを見いだすことである。

抗酸化物質(ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、葉酸、セレニウム)
健康改善、寿命増加のためにはこの種の錠剤が役立つ証拠はない。
事実は、逆効果の可能性があるのである。たとえば、喫煙者において、βカロテンサプリメントの使用は肺癌のリスク増加をもたらす。食事上の抗酸化量増加に興味があるなら事前に医師に相談したらよいだろう。
抗酸化リッチな果物野菜を加えることには有害作用は少ないのである。



ホルモン類(DHEA、テストステロン、メラトニン、ヒト成長ホルモン)
これらのホルモンサプリメントのどれもアンチエイジングに関しての医学的エビデンスがない。そして、リスクをもたらす可能性がある。たとえば、DHEA・テストステロンの短期使用は肝障害の可能性がある
ホルモン治療の一つの型としては、閉経後ホルモン治療であり、多くの女性は閉経後の症状をエストロジェン補充を使用しているが、血栓形成、心臓疾患、心臓発作、乳ガンリスク増加をもたらすおそれがある。


サプリメント
“自然”治療とか述べて宣伝しているが、この“自然”というのは、有害でないという意味で解釈されるが、必ずしも真実でない。珊瑚カルシウムや朝鮮人参やechinaceaなどのサプリメントに期待を寄せるが、そのサプリメントに関して支持するエビデンスはない。サプリメント成分があなたの薬物治療や重大な副作用を備えた有害な相互作用を引き起こす場合がある。当局もその成分の内容や有効成分を監視できていない。


カロリー制限食
カロリー制限は消費量を少なくすれば長生きするという理論にて、約30%ほど科リリーを制限し、果物野菜は十分に摂取するというものである。ラットやマウス、魚、蛾、昆虫といった動物研究が基礎である。人間に之を適応できるかどうかは不明。今、臨床トライアルが進行しているとのこと。低体重により、カロリー制限食という特異的ではないが、疾患・死亡リスク増加の報告もある。必要な栄養まで制限してしまう可能性があり、過度の制限が栄養不良や極端な体重減少をもたらす可能性がある。




日本では、このアンチエイジングというのは研究会・学会まで作られ、上記エビデンスのない候補製品をまるでエビデンスのあるごとく扱っている医者がいる。故に、相談者が、アンチエイジング製品の信憑性について聞くときに、かれらにかかると、二重のhype(誇大広告)に引っかかる可能性があるのである。なんらかの指針が必要と思うのだが、動脈硬化に係わる医師たちも、このアンチエイジングという名称にたぶらかされているのが実情なのである。・・・実に嘆かわしいとCleaveland Clinicの記事を読みながらそう思った。

by internalmedicine | 2007-02-26 11:32 | Quack  

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