抗酸化サプリメントは寿命を短くする

抗酸化サプリメントなんて・・・いいかげん・・・めざめなさい! ・・・ちょっと古くなった台詞を言いたくなる


抗酸化サプリメントは寿命を短くする・・・この種のビタミンを含む抗酸化作用をうたい文句商品のadverse effectのエビデンスが累積されつつある


Mortality in Randomized Trials of Antioxidant Supplements for Primary and Secondary Prevention
Systematic Review and Meta-analysis
JAMA. 2007;297:842-857.


抗酸化物質というのがいくつかの疾患のリスク減少すると信じられている。しかし、発表された論文を見る限り抗酸化サプリメントは胃腸ガンの影響はないし、全原因死亡率を増やす可能性がある。一部セレニウムが検討不十分であるが・・・
今週のJAMAでは、ベータカロチン、ビタミンA、E、ビタミンC(アスコルビン酸)、セレニウムの全原因死亡率への検討が一次予防・二次予防トライアルで検討されている。
著者らはベータカロチン、ビタミンA、E単独及び他の抗酸化サプリメントと組み合わせることで、全原因死亡率を増加させることが判明した。



68のランダムトライアル 232606名の検討(385の論文)

Data Synthesis
低・高バイアストライアルをpoolし検討、死亡率に関して有意な影響なし(RR, 1.02; 95% CI, 0.98-1.06)
多変量解析にて、低バイアスリスクトライアル(RR, 1.16; 95% CI, 1.05-1.29)やセレニウム (RR, 0.998; 95% CI, 0.997-0.9995)では有意に死亡率と関連

47の低バイアス、180938名検討のトライアルでは、抗酸化サプリメントは有意に死亡率増加(RR, 1.05; 95% CI, 1.02-1.08)
低バイアスリスクトライアルでは、セレニウムトライアルを除外した後、βカロチン、ビタミンA、ビタミンEの単独、組み合わせで有意に死亡率増加
ビタミンC、セレニウムは死亡率への影響はなかった。




無効な根拠だけでなく、有害性根拠の集積があることをメディアでは報道されない。cnn、abc、nbc、Foxなど外国でも同様なようである・・・いつもはJAMAとリンクする癖に・・・
・・・っておもったらロイターに小さく掲載されていた。日本のメディアの出方に興味がある




ビタミンで心筋梗塞二次予防を悪化・・・ホモシステイン仮説の否定
http://intmed.exblog.jp/3331974/

ビタミンCの心臓疾患リスク減少効果は、社会階層の影響で説明できる
http://intmed.exblog.jp/2156815/


健康女性にアスピリン、ビタ・ミンEの予防効果証明できず、アスピリンと肺癌の興味ある関係
http://intmed.exblog.jp/2075496/

ビタミン・ミネラルは感染症予防にも疑問
http://intmed.exblog.jp/1847816/

AHAステートメント:抗酸化ビタミン・サプリメントと心血管リスク減少
臨床治験で一般的に抗酸化サプリメントの心血管合併症・死亡率減少に関する有益性を示す事ができなかった。
http://intmed.exblog.jp/1841987/

抗酸化作用のアレルギー性疾患悪化仮説
http://intmed.exblog.jp/1797684/

抗酸化ビタミンは、消化器癌を予防せず、全原因死亡率を増加させる。
http://intmed.exblog.jp/1519374/

なぜ大企業はサプリメントに手をだすのか?
http://intmed.exblog.jp/1537000/

コエンザイムQ10サプリメントの心血管系疾患へ投与する価値はまだ疑問下のままで、はたして利益であるのか有害であるのか肯定否定のエビデンスさえない。
http://intmed.exblog.jp/1345537/

ビタミンCもサプリメントとして多く摂取すると有害?・・・今回は糖尿病患者のみ
http://intmed.exblog.jp/1328956/


高用量ビタミンEは寿命を短くする 続編
http://intmed.exblog.jp/1323743/

by internalmedicine | 2007-02-28 10:13 | Quack  

<< ヒトパピローマウイルスワクチン 病院とプライマリ・ケア医とのコ... >>