小児PTSDはストレス反応から海馬減少へ?

PTSDにおけるストレス反応がどうして海馬の容積を減少させるのか、そして、海馬容積の減少がどういう変化をもたらすのかよく分からないが・・・まぁたいへんそうだという話?

Stress Predicts Brain Changes in Children: A Pilot Longitudinal Study on Youth Stress, Posttraumatic Stress Disorder, and the Hippocampus
PEDIATRICS Vol. 119 No. 3 March 2007, pp. 509-516
PTSDの成人研究では、海馬の量が少ないことが示されていたが、小児では再現されていなかったが、海馬の量が小さいことがストレスによる神経発達的な問題により生じていることがパイロット研究で示された。
動物研究では、ストレスの間の糖質コルチコイド分泌が海馬への神経毒性的に働くということが示されている。

PTSDの成人研究では、海馬の量が少ないことが示されていたが、小児では再現されていなかったが、海馬の量が小さいことがストレスによる神経発達的な問題により生じていることがパイロット研究で示された。
動物研究では、ストレスの間の糖質コルチコイド分泌が海馬への神経毒性的に働くということが示されている。


12-18ヶ月コーチゾル高値の子供がどのように海馬量の変化が生じるかの研究
平均10.4歳の15名の子供(9名の女児)でPTSD Reactionスコア12以上を示す子供で、hyperarousal(過覚醒)を含む、Clinician-Administered PTSD Scale for Children and Adolescentsを用いて評価。
身体、情緒・性的虐待、虐待目撃例、別離・死別経験などから生じた事例


コーチゾルは唾液から3日に1回採取で、調査前後でMRI施行
PTSD重症度、hyperarousal(過覚醒)、初期コーチゾル濃度は正の相関が見られた。


唾液腺コルチゾール(例えば)を用いることには批判がある
コルチゾールは唾液による測定が可能であることから、ストレスマーカーとしてよく使われるが、唾液中のホルモン濃度はnM(nmol/L)オーダーと非常に低いので、定量計測自体が困難であることから、汎用性のある技術として実用化されていないのが現状である。(http://www.yamaha-motor.co.jp/profile/craftsmanship/technical/publish/no39/pdf/ts_03.pdf


唾液腺なので、心理などの分野で利用されているようだが・・・

唾液腺コルチゾールは副腎機能、最近はCushing病のベッドサイドでのスクリーニングとして用いられてきているが、採取方法、唾液の基質、感度、ステロイドの安定性、結合蛋白などの問題がありいくつかの問題点がある。

Steroid Analysis in Saliva: An overview
Clin Biochem Rev. 2006 August; 27(3): 139–146.

by internalmedicine | 2007-03-06 11:02 | 医療一般  

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