アルツハイマー病治療薬 アリセプトは費用効果的でない! ルーチンに使うべきでない


アリセプトをルーチンにアルツハイマー病と診断したら使うってのは間違いだという論文で、費用効果的でないという論文発表される。

アリセプト DonepezilはUKでアルツハイマー病へ最初にライセンスされたコリンエステラーゼ阻害剤である。“AD2000 Collaborative Group”は、非認知機能と行動的症状の改善に関して価値があるか、そして効果費用的かどうか検討。
認知面での軽度の改善を認め、活動性を改善したが、施設への入所率・生涯の進行に関しては測定できる効果がなかった。研究者たちは、コスト効果的でない、価値は最小の確実な閾値以下であり、医師はルーチンにこの薬剤を処方することに対して疑問を持つべきだとした。
コメントの中で、Lon Schneiderはコリンエステラーゼ阻害剤、memantine、アスピリン、ginkgo biloba(銀杏)や他の薬剤との長期トライアルが必要と述べた。

long-term donepezil treatment in 565 patients with Alzheimer's disease (AD2000): randomised double-blind trial
Lancet 2004; 363: 2105-15
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565名の軽症から中等症のアルツハイマー病(AD)地域居住の患者で12週間run-in period試験。ランダムにdonepezil(5mg/day)とプラセボを割り付け。486名を再ランダムかし、donepezil 5mg、10mg、プラセボに割付、2重盲験にて判断。一次エンドポイントは施設入所、障害の進行(基礎項目4項目中2項目、11の補助項目中6つと定義)、“Bristol activities of daily living scale (BADLS”)の活動性

donepezil最初の2年間で、認知機能としてMMSE(mini-mental state examination)平均0.8ポイント良好(95%CI 0.5-1.2 p<0.0001)、機能的にはBADLSポイント1.0ポイント良好。プラセボに比較して施設入所はdonepezilで3年で42% vs 44%(P=0.4)、障害度進行58% vs 59%(P=0.4)
donepezil群の施設入所相対リスクはプラセボに比較して0.97(95%CI 0.72-1.30 p=0.8)
障害進行相対リスクは0.96(95%CI 0.74-1.24 p=0.7)
行動、心理的症状、ケア者の心理病理、公的ケアコスト、無料ケア時間、副作用イベント、死亡の関する差異無しで、5mg、10mgdonepezilの差もなし。
【結論】Donepezilは費用効果的でない。最小閾値以下のベネフィットのみ。より効果的な治療法が必要。

by internalmedicine | 2004-06-25 17:10 | 内科全般  

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