アクトスは骨折リスク増加(FDA安全性情報)
2007年 03月 12日
http://www.fda.gov/medwatch/safety/2007/Actosmar0807.pdf
FDAは医師向けに、2型糖尿病治療薬であるpioglitazone(Actos)の女性での腕・手・足の骨折頻度増加に関する情報を提示した。と報告している。
rosiglitazone(Avandia)で踵骨への同様な報告(2月21日)があり、男性では増加のエビデンスが認められなかった。
Pioglitazoneはタケダの商品で、rosiglitazoneはグラクソ・スミスクライン社の製品である。
タケダのRobert Spanheimer M.D.は、女性100人年あたり
・pioglitazone:1.9骨折
・対照:1.1
pioglitazone8100名以上の解析、対照としてプラセボ7400名にもとづいたもので、3.5年のフォローアップによるものであり、超過リスクは100人年で0.8
骨格筋・脂肪細胞のインスリン受容体に影響を与えるperoxisome proliferative-insulin-activated receptors (PPAR)γ受容体を刺激し、肝臓の糖新生阻害的に働く機序であり、troglitazone(Rezulin)は肝毒性故に市場から消えたいきさつがある
thiazolidinedione類は浮腫を生じ、心不全悪化に働く可能性があり、市販後調査で新規発症心不全の報告がなされている。NYHA IIIやIVでは適応になく、NYHAIIでは最小量で処方されるべき
pioglitazoneの市販後調査での報告は正常上限2-3倍の肝酵素上昇が見られた。
稀なる報告として肝不全であり、警告は行われてない。
(http://www.medpagetoday.com/ProductAlert/Prescriptions/tb1/5228から)
直接の機序に関して記載がないが、この辺がヒントだろう
↓
the interplay of PPARγ with other nuclear hormone receptors has implications for the balance between adipogenesis and osteogenesis in mesenchymal stem cells of the bone marrow stroma.
http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?artid=1779576
さすが、厚労省とタケダ(経団連幹事)・・・仕事が遅い。
医療機関にはITを強要しながら・・自らはITをもちいた情報提示遅すぎ
追記:H19.11.30
2007-No.11として、頻度不明 骨折として添付文書自主改訂となりました・・・とのこと
この報告から何ヶ月たってのことだろう?
さすが・・・非常に遅い対応・・・厚労省は動かずかぁ・・・!
by internalmedicine | 2007-03-12 10:42 | 動脈硬化/循環器