降圧剤に肺癌治療効果?
2007年 03月 16日
この前、ARBに関連した講演を聴く機会(このような感じの講演の三共版)があったが、「老化した培養内皮細胞では,接着因子ICAM-1や炎症性サイトカインの増加,NO合成酵素(eNOS)活性の低下」とのことで、ARBに抗癌作用があるのではという鋭い質問があった。
Blood Pressure Drug Shows Potential as Lung Cancer Treatment
Wake Forest University School of Medicine.
マウスにおいて angiotensin-(1-7)治療で、腫瘍量が30%減少したとのこと
肺癌は5年生存率わずか14%
肺癌のアンジオテンシン(1-7)の効果をACE阻害剤治療の高血圧患者では肺癌発生率が少ないという観察研究に由来するアイディアとのこと
Captoten(R)(captopril )とLotensin(R)(pdf)はアンジオテンシン(1-7)を増加させるのである。
angiotensin(1-7)はCOX-2を阻害し、細胞増生を減少させる。
実際肺癌の70-90%にCOX-2発言が見られる
理論的には腫瘍縮小にCOX-2が効果有るはずであるが、心臓発作、卒中、狭心症リスク増加するが、降圧剤ならそういう副作用がないはずだということで有望視とのこと
アンチエイジングという概念は、嘘くさいと個人的には思っているが・・・アンジオテンシン関係というのは興味の尽きない分野であるようだ
by internalmedicine | 2007-03-16 10:01 | 呼吸器系