クォンティフェロン(R)TB-2G

クォンティフェロン(R)TB-2Gの使用指針 平成18年5月 日本結核病学会予防委員会


改正感染症法に基づく結核の接触者健康診断の手引き(案):未定稿(pdf)

接触者健診の実施
問診:BCG摂取歴、既往のツベルクリン反応検査の結果、最近の呼吸器症状、治療中の疾患(特に結核発病リスクを高める疾患の有無)、感染源との接触状況
・感染の有無に関する検査(QFT、ツ反)
クォンティフェロン(R)TBー2G

・年齢下限を49歳:議論の余地残している
・小児の判定:「陰性」であっても「未感染」徒は言えないとうことを考慮すべき

・QFT検査ができない場合や集団感染事例の場合、まずツ反を行い、発赤10mm以上(あるいは硬結5mm以上)を対象を限定してQFT検査
・患者との接触期間(結核菌の暴露期間)が長い、又はすでに二次患者が発生し得るような場合、あるいは対象者が「最優先接触者」(その中でもハイリスク)では発症直後でもQFT検査を行い陰性であっても8週間後QFTをサイド行う。
「中等度優先接触者」又は「低優先接触者」に対してQFT検査が必要とされた場合は、患者との最終接触から8~10週以上経過するのを待ってから、1回検査


・5歳未満はツ反検査を基本とする






QuantiFERON®-TB Gold Test:CDC

限界:
・17歳未満、感染直後、免疫不全患者、免疫抑制剤使用患者、特定の血液疾患、ある種の悪性疾患、糖尿病、珪肺、慢性腎不全ではデータが少ない。
・血液試料収集・運搬、assayの運用・解釈にてエラーを生じることがある。
・この検査が結核発症リスクを同定するというデータが少ない

有用性:ツ反が利用されている状況に置き換え可能
・接触調査、BCGワクチン後の移民評価、医療従事者等の連続評価
・ただし、限界があるため、評価に注意が必要

解釈:
・あくまでも疫学、病歴、身体、診断所見から診断すべき
・陽性なら、M.tuberculosis感染の可能性を示唆
・中間なら低mitogen responseなのか、バックグラウンドの反応なのか解釈不能
・肺結核(LTBI)は臨床的判断が必要で、結核菌による徴候・症状を示唆する所見、胸部レントゲン、M. tuberculosisの存在が示唆される場合に診断する


QFTの感度・特異度など
216名のBCGワクチン接種下の日本の看護学生の研究では特異度98.1%
培養同定結核118名の報告では感度89.0%
99名の健康BCG接種下韓国医学生研究では特異度96%で、TSTは49%であった.
肺結核患者の54名ではQFT-G感度81%で、TSTは78%.
318名の非選択的入院患者を対象にしたときQFT-G感度67%、TST感度33%
QFT-G中間反応はTST陰性例で21%と多かったが、これは免疫不全・抑制状態であったと思われる。
(MMWR Dec 16,2005 54(RR15);49-55)

by internalmedicine | 2007-03-20 15:57 | 呼吸器系  

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