フランスの集中治療医の半数は燃え尽きている・・・組織の責任


"医師の労働時間はたいしたことない"と国会で厚生労働省大臣が発言するような国で、医師の労働環境が守られるはずもない。

フランスでは集中治療医というモデルで国家的に“医師の燃え尽き”を調査しているようである。その結果、約半数が“燃え尽き”とのことだ。

日本でも国家的に調査などすべき・・・だが、しないだろうなぁ・・・あんな大臣じゃ


High Level of Burnout in Intensivists
Prevalence and Associated Factors
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 175. pp. 686-692, (2007)

職業上の燃え尽き(burnout)は、職務上の慢性の人的なストレッサーによる心理的症候群として問題となっている。救急専門医は生命がその手腕に係わるため特にストレスにさらされるだろうと考えられる。

1日の国家的研究をフランスの公的病院の成人ICUで調査
測定:もえつきレベルをMBI(Maslach Burnout Inventory)で評価
 参考:http://www.mindtools.com/stress/Brn/BurnoutSelfTest.htm
結果:
189のICUと978名の調査、回答率82.3%
もえつきレベルの高いもの回答者比率は46.5%

順序ロジスティック解析にて女性(オッズ比 1.58; 95%CI 1.09-2.30)が独立したMBI値高値因子であった。

患者重症度に関する因子はモデルにて一定に認められなかったが、組織的な要因がMBIスコアと強く相関があった。
過労(月間の夜勤回数、非労働週からの長く経過していること、調査前の夜間シフト)と職場の人間関係がうまくいっていないこと(他のICU専門医や看護師との対立)が独立した高MBIスコアの因子であった。

逆に、チーフ看護師や看護師たちとの関係の質がよいことはMBIスコア低値と相関があった。
結論としては、集中医療医の約半数は燃え尽きており、組織的な要因が主で患者の重症度とは関連が少なかった。




多くの公的病院の医師がやめることが連日話題になっているが、医師個人にその問題があるかのようなメディアの記述も目立つ。
医師の燃え尽きはその病院の組織的な問題である。国立では総理・大臣及び関係省庁の問題、地方自治団体立ではその首長や議会などにその原因があることを自覚してないように思える。関係行政は、医療崩壊を医師個人の資質に押しつけ、医療崩壊を促進しているのである。


開業医である私も最近燃え尽きてきており、引退への道を探っている・・・というのは半分本気。辞めたくもなりますわな・・・昨今の情勢だと。

by internalmedicine | 2007-03-24 09:21 | 医療一般  

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