閉塞型無呼吸へのマウス・スプリント適応をフローボリウムカーブで決める
2007年 03月 27日
レビュー(たとえば・・・ここ や ややふるくなったが NEJM Volume 347:498-504 August 15, 2002 )を見てもマウススプリントの有効性は限定的であり、より軽症の無呼吸や無呼吸を伴わないいびきの治療に対象が絞られている。それより新しいデバイスと主張してもそのエビデンスに乏しいため、かような宣伝は過剰・虚偽に近いと言わざる得ない。
ただ、有益性が認められるケースがあることは事実で、どのようなケースで有効かが簡便に事前にわかればより積極的に患者に勧めることができる
Use of Flow–Volume Curves to Predict Oral Appliance Treatment Outcome in Obstructive Sleep Apnea
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 175. pp. 726-730, (2007)
閉塞型無呼吸(OSA)に対してマウススプリント(mandibular advancement splint (MAS))治療は時に有効であるが、全員に有効というわけではない。しかし、簡便で、臨床的適用としては信頼できる訳だが、治療効果にばらつきが見られる。
そこで、フローボリウムカーブを用いて、これがMAS治療アウトカムの予測因子として用いることができないかという研究
45名のOSA患者でMAS治療を受けている人対象
responder 35名のAHI平均は28.9 ± 13.7 → 6.7 ± 5.8/hour (p < 0.001).
AHIに有意な変化無しというnonresponderは19名
responderはnonresponderより、MIF50は低く(6.04 ± 1.80 vs. 6.88 ± 1.08 L/second; p = 0.035) 、MEF50:MIF50比は高い(0.82 ± 0.23 vs. 0.61 ± 0.15; p = 0.001) 。
ロジスティック解析でMEF50:MIF50比が最も重要なMAS治療アウトカムに関する予後因子であるが、BMI、年齢、ベースラインAHIも寄与因子であった。
このやり方と、上気道の形態計測との比較は?・・・という疑問
スパイロ計測になれている内科医にとってはありがたいやり方だが・・・
by internalmedicine | 2007-03-27 08:43 | 呼吸器系