小児急性下痢症ロペミン治療のシステミックレビュー

0.25mg/kg/日以下の投与量でも、3歳未満の子供で、栄養状態悪く、中等度以上の脱水、全身状態が悪い、血便を有するなどの条件がある場合、副作用の方がbenefitを上まわる。
下痢症状が軽微か無い場合の3歳を上回る場合、補液、早期食事摂取を伴えば有益であるというレビューのまとめ

Loperamide Therapy for Acute Diarrhea in Children: Systematic Review and Meta-Analysis. PLoS Med 4(3): e98 doi:10.1371/journal.pmed.0040098



下痢は通常軽症で、5歳以下の160-250万人の子供が世界で罹患しており、発展途上国で多い。脱水による死亡もあり得る。富裕国では死亡は稀だが、USでもこの治療に関して15億ドル経費かかかると推定。このコストの一部は止痢剤であり、loperamideがもっとも利用されている。loperamide処方できない国も多い。loperamideは腸管運動を減少させるが、補液や感染症に対しても悪影響を及ぼす可能性がある。

日本ではO157:H7騒動以来、腸蠕動を抑える薬(ブスコパン、ロペミン(loperamide)、麻薬性鎮痛薬など)は使用抑制がある。ロペミンは細菌性下痢患者や6ヶ月から2歳未満の乳幼児など使用禁忌とされている。



UpToDate
評価編:http://patients.uptodate.com/topic.asp?file=ped_symp/4477治療編:http://patients.uptodate.com/topic.asp?file=pedineph/17080
鑑別すべき疾患:http://patients.uptodate.com/image.asp?file=pedi_pix/etiolo37.htm

by internalmedicine | 2007-03-27 09:42 | 感染症  

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