再構成HDL点滴による冠動脈動脈硬化病変への効果
2007年 03月 28日
カナダのランダム化プラセボ対照トライアルでカナダの17センターで行われ、最終研究点滴後ベースライン・2-3週後でIVUS評価
2005年7月~2006年10月までの、183名ベースラインのIVUS評価、145名を評価対象として6週後までの連続IVUS評価
60名ランダムに4週間点滴:60名のプラセボ(生食)、111名の再構成HDL(CSL-111)の40mg/kg投与、12名のCSL-111 80mg/kg
メインアウトカム:
プライマリ有効性指標は、IVUS上のatheroma容積の%変化、プラーク容積やプラーク性状指標、定量的なCAG上の冠動脈スコアを事前のエンドポイントとした
高用量CSL-111治療群は肝機能検査異常のため早期中断
atheroma容積の%変化は、CSL-111で-3.4%、プラセボで-1.6%
(P = .48 between groups, P<.001 vs baseline for CSL-111).
プラーク容積の変化は CSL-111で–5.3 mm3 、プラセボで –2.3 mm3
(P = .39 between groups, P<.001 vs baseline for CSL-111).
IVUSでのプラーク性状の平均変化 (–0.0097 for CSL-111 and 0.0128 with placebo) 、CAG上の定量的冠動脈スコアの平均変化 (–0.039 mm for CSL-111 and –0.071 mm with placebo)は両方有意差有り (P = .01 and P =.03, respectively)
CSL-111 40mg/kgは軽度・自己完結的transaminase増加があったが、耐用性は良好であった
同じHDLを意識している治療法だが、CETP阻害剤治験:torcetrapibと、同じ冠動脈病変といえど比較対象が違うようだが、この治験でのプラーク容積減少効果は大きいのかもしれない。
それにしても製法から考えても高そうな薬剤だなぁ・・・
by internalmedicine | 2007-03-28 09:35 | 動脈硬化/循環器