COPDスピリーバ治療にセレベント、アドエアをadd-onする治療は有効か?
2007年 03月 30日
アドエア(R)<米:Advair Diskus 英系:ceretide>は喘息のみ認可予定・・・その通り行くかどうか知らないが・・・
成分名が一緒でも同一製品かどうかの保証もないしやっぱり次回からも一般名・・・
Tiotropium in Combination with Placebo, Salmeterol, or Fluticasone-Salmeterol for Treatment of Chronic Obstructive Pulmonary Disease
A Randomized Trial
Ann Int Med 17 April 2007 Volume 146 Issue 8
ランダム化二重盲検プラセボ対照トライアル
2003年10月から2006年1月まで施行
27のカナダの学術的地域医療センター
中等症から重症のCOPD449名
1年間の治療1)tiotropium + placebo
2)tiotropium + salmeterol
3)tiotropium + fluticasone-salmeterol
測定項目:プライマリエンドポイントは全身ステロイド治療・抗生剤治療を必要とするCOPD急性悪化患者比率
Tio.+プラセボ:62.8%
Tio.+salmeterol: 64.8%; 差 -2.0 % [95% CI, -12.8 ~ 8.8 %])
Tio.+fluticasone-salmeterol:60.0%; 差 2.8 % [CI, -8.2 ~ 13.8 %]
感度分析にて、tiotropium+salmeterolとtiotropium+fluticason-salmeterolが良好な傾向(favor方向推定値・95%区間)
Tiotropium + fluticasone-salmeterolは肺機能改善 (P = 0.049)
疾患特異的QOL 改善(P = 0.01)
COPD急性悪化入院数減少(incidence比率 0.53 [CI, 0.33 to 0.86])
全原因入院数減少 (incidence rate ratio, 0.67 [CI, 0.45 to 0.99])
反対に、tiotropium+salmeterolは有意に肺機能入院率を改善しない
限界:placeboのみ あるいは、salmeterolのみの追加事例の40%が中断し、多くが結果的に吸入ステロイドやLABAのopen label使用となった
結論は、tiotropiumにfluticason-salmeterolを加えることでCOPD急性悪化を減少させなかったが、肺機能、QOL、入院率を改善した。
なぜ、肺機能、QOL、入院率は改善するのに、急性悪化回数は減らないのか?
この疑問は残る。
COPD吸入ステロイドに関するRCT(Chest. 2007; 131:682-689)では1秒量を変化し得なかった。そしてMedline Plusの批評は手厳しい:Inhaled steroids do not alter course of COPD
アドエアに関してプライマリアウトカムを改善しなかったことで、トライアル本来の目的がはたせてない。タケダのようにせこいまねをしてほしくはないのだが、やはり肺機能、QOL改善、入院数減少は重要と思う。
by internalmedicine | 2007-03-30 10:28 | 呼吸器系