気管内挿管抜管前ステロイド治療による喉頭浮腫予防効果確認

低圧高容量カフの使用にかかわらず、気管内挿管の合併症として喉頭浮腫は重大である。36時間以上の創刊後の喉頭浮腫というのは比較的頻度が高く、抜管後の呼吸困難の原因として重要


12-h pretreatment with methylprednisolone versus placebo for prevention of postextubation laryngeal oedema: a randomised double-blind trial
The Lancet 2007; 369:1083-1089

36時間以上人工呼吸を施行した患者に、抜管前12時間とその後4時間毎にメチルプレドニゾロン(20mg) 施行。プラセボ比較したプラセボ二重盲検多施設研究

対象は761名の成人ICU入院者

プライマリエンドポイントは24時間以内の喉頭浮腫発生

63名評価不能、理由は自己抜管(n=16)、抜管中止(44)

698名(プラセボ343名、methylprednisolone群 355名)を検討

methylprednisoloneは有意に抜管後喉頭浮腫発生減少(11/355 3% vs 76/343 22% p<0.0001)、再挿管発生率(13/355 4% vs 26/343 8% p=0.02)

methylpredonisolone後抜管後死亡1人、無気肺1名



喉頭浮腫の観察
呼吸困難を minor と majorに分類
Minorな喉頭浮腫とは、薬物介入を必要とする呼吸困難を伴う高音ピッチの吸気性wheezeであり、呼吸困難は吸気相の遷延、呼吸補助筋の活動増加をともなうもの

Majorな喉頭浮腫とは喉頭鏡にて視認した上気道閉塞に伴う重度の呼吸困難で再挿管を必要とする状態

Minorな浮腫は直接の喉頭鏡検査・内視鏡検査の理由としない。なぜなら、この手技は不安定な患者では完全に安全とは言えないからである。



臨床的に重要な知見と思われる。




まさに臨床研究、日本でもこういつ地道な研究が評価されてほしいもんだ
メタボの詐欺的な研究に金をだして、タミフルの副作用研究に金を出さない国
なんでもメタボ的な研究にしてしまって科研費を請求するしかない日本には真の医学研究は育たないだろう
あぁ、バブルの時に、医学研究費に、ふるさとなんとやらのようなばらまいた金をつぎ込んでおけば、日本はバイオで外貨を稼げていたであろうに・・・

by internalmedicine | 2007-03-31 08:48 | 呼吸器系  

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