EPAの高脂血症患者における重大冠動脈イベント抑制効果:JELIS研究

長鎖n-3脂肪酸冠動脈疾患死亡率検討したもの
ClinicalTrials.gov:NCT00231738



Effects of eicosapentaenoic acid on major coronary events in hypercholesterolaemic patients (JELIS): a randomised open-label, blinded endpoint analysis
The Lancet 2007; 369:1090-1098


18,645名のコレステロール高値(6.5 nmol/L以上)の1996-1999年の日本の医師により参入されたもの

EPA群(n=9326):EPA 1800mgをスタチンと共に投与
対照群(n=9319):スタチン単独
いづれも5年フォローアップ

プライマリエンドポイントは、重大な冠動脈イベント(心臓突然死、致死的・非致死的心筋梗塞、不安定狭心症を含む非致命的イベント、・血管形成・ステント・CABG)


平均フォローアップ期間4.6年

プライマリエンドポイントはEPA群262名、対照群324名(p=0.01)

治療後LDL濃度は25%減少、両群とも4.7mmol/L

血中LDLコレステロールはmajor coronary eventのリスク減少に関して有意な因子ではなかった。
不安定狭心症・非致死的冠動脈イベントはEPA群で有意に減少
心臓突然死・冠動脈死亡は両群差なし

二次予防:EPA治療された冠動脈疾患既往のある患者では、major coronary eventは19%減少(-19% ; EPA 158[8.7%] vs 対照 197[10.7%] p=.048)

一次予防:冠動脈疾患既往の無い対象者ではEPA群 18%減少だったが、対照群比較では有意の差はなかった。




・・・ここまで書いて気づいた・・・持田ウェブサイトに書いてあったので別に訳す必要もなかったのだ orz
http://www.mochida.co.jp/dis/jelis/index.html

研究の限界として、冠動脈再建・入院治療など医師によるバイアス介入する部分があったこと、スタチンがpravastatin・simvastatinであったこと(脂質低下作用が若干少ない)、日本人の冠動脈死亡リスクは10万人年あたり22-26で、US・北米より著しく少ないことなどが検討の限界となったとのことなど



これを見れば、確かに一次予防に果たして脂質治療が必要か疑問が再燃しそうである

by internalmedicine | 2007-03-31 09:28 | 動脈硬化/循環器  

<< 日本政府のタミフル警告は正しい... 気管内挿管抜管前ステロイド治療... >>