Ibuprofenなどは心血管リスクを増加する・・・naproxen単独使用が最も安全?

心血管リスクのためアスピリン投与している患者が日本でも多くなってきた。それに変形性関節症などで、NSAIDsを整形外科などで加えられることも多く、アスピリンパラドクスから考えてもよかぁ無いだろうと・・・以前予備的資料を探し当てたのだが、どこかに失念。



COX-2阻害剤と非選択的NSAIDsは心血管リスクを増加するが、現行使用可能なCOX-2・非選択的NSAIDsがアスピリン投与しているCVリスクの高い患者に与える影響のエビデンスは無かったとのこと・・・そこで、以下の研究

心血管イベントリスクの高い変形性関節症患者において、アスピリン連日服用+Ibuprofen服用の場合は、血栓形成イベントと心不全イベント増加をもたらした

naproxenが心血管予防的に働くかどうか不明だが、naproxen単独使用が最も安全であるという結果であったと著者のコメント(ほかの報告ではそうでもないので・・・注意が必要:日経メディカル


TARGE(Therapeutic Arthritis Research and Gastrointestinal Event Trial)治験18325名の変形性関節症を対象とした lumiracoxib (COX-2 inhibitor) とbuprofen ・ naproxenの比較研究のpost hoc analysis



Cardiovascular outcomes in high-risk patients with osteoarthritis treated with Ibuprofen, Naproxen, or Lumiracoxib
Ann Rheum Dis. Published Online First: 5 April 2007.
・プライマリエンドポイント:1年後の心血管死亡率、非致死的心筋梗塞、卒中
・セカンダリエンドポイント:うっ血性心不全

アスピリン使用者の高リスク患者では・・・
・Ibuprofen sub-studyの患者はibupurofeのほうがlumiracoxibよりプライマリイベント多し(2.14% vs. 0.25%, p=0.038)

Naproxen sub-studyにおいてはnaproxenとlumiracoxibは同様 (1.58% vs. 1.48%, p=0.899).

アスピリン非使用高リスク患者では・・・
・naproxen vs lumiracoxib(0% vs 1.57% p=0.027)プライマリイベントは少ない
・ibuprofen vs lumiracoxib(0.92% vs 0.80 p=0.920)

包括的に、うっ血性心不全進展はlumiracoxibよりibuprofenのほうが多い (1.28% vs. 0.14%; p=0.031)
しかし、naproxen と lumiracoxibの差はない




NSAIDsによる心不全悪化(http://intmed.exblog.jp/348675/
そして、変形性関節症へのNSAIDs使用に関して治療効果・副作用故、短期的限局的使用を推奨(http://intmed.exblog.jp/m2004-12-01/#1390609)との話もあった。
そして、Vioxxなどの副作用の問題(http://intmed.exblog.jp/m2005-01-01/#1597527)は米国メディアは今でも取り上げているほど大きな話題である。

セレコキシブ(商品名:セレコックス錠100mg、錠200mg)(pdf)が日本で発売になっており、今のところ慎重な営業を行っているようである。

そんな中・・・

by internalmedicine | 2007-04-06 08:16 | 動脈硬化/循環器

 

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