細胞はHIF-1はによるトクローム酸化酵素subunit調整で低酸素適応する
2007年 04月 06日
著者らがいる大学はその論文の解説をしてくれるので・・・私のような門外のものにとって助かる。・・・最下部の論文をおもしろそうと思って読み出したのだが、よくわからない。
・・・で、以下の解説を読んでから論文を読むと比較的理解できたと自己満足(ホントは理解してないかもしれないが・・・)
NEED OXYGEN? CELLS KNOW HOW TO SPEND AND SAVE
April 5, 2006 Johns Hopkins Medicine
ミトコンドリア内では、小さい発電所が各細胞ごとにあり、チトクロームと呼ばれる一連の中継局を通して電子を伝達させる。結果的に酸素が組み込まれ、水を形成する。
この最後のステップが、cytochrome c oxidase、すなわちCOX:チトクローム酸化酵素である。もし、COXに到達する以前に電子が酸素と反応したら、“free radical”を形成し、細胞障害性に働くのである。
ミトコンドリアは過剰なフリーラジカル産生をしないように酸素レベルを正常レベルにしてエネルギーを産生するようデザインされている。
SermenzaのチームはCOXタンパク複合体の一つの特異的コンポーネントである、COX4が2つの異なるもの、COX4-1とCOX4-2からなり、正常の酸素条件下ではミトコンドリアはほとんどCOX4-1であり、ストレスな条件、低酸素状態などではCOX4-2が活性化するのだろうと考えている。
このことを試験するため、正常な酸素状況でのヒトの細胞と低酸素状態での細胞で比較した。低酸素状態では肝臓、子宮、肺、結腸細胞はCOX4-2を産生した。研究者たちは数週間マウスを低酸素状態におき、COX4-2値の増加を認めた。
1992年、SemenzaのチームはHIF-1(hypoxia-inducible factor 1)と呼ばれる蛋白、酸素が低いときに細胞の生存を助けるもので、心臓発作や・卒中の時などに働く。
このHIF-1はCOX-swappingの引き金となるかどうかを検討しはじめた。
COX4の遺伝子調整領域の検討により、低酸素状態でHIF-1sensorがCOX4-2活動性のスイッチを入れることを見いだした。COX4-1はミトコンドリア内にあるので、COX4-1を打破するほど酵素を産生するよう他の遺伝子のスイッチをオンにするのである。この酵素を欠如した細胞を構成したり、低酸素に適応するようengineeringすることで(knockoutのことか?)細胞がCOX4-1を取り除くことができなくなった。
で、その問題の論文・・・
HIF-1 Regulates Cytochrome Oxidase Subunits to Optimize Efficiency of Respiration in Hypoxic Cells
Ryo Fukuda et.al.
Cell, Vol 129, 111-122, 06 April 2007
酵母においては、高酸素・低酸素状態に応じてCOX subunitはCOX5aとCOX5b遺伝子transcriptionにより反応
HIF-1がreciprocalにCOX4 subunitの発現を、COX4-2やLONの遺伝子encodingのtranscriptionを活性化
ほ乳類の細胞でCOX4-1とCOX4-2のisoformの発現はO2調整的である。
O2利用低下の場合、HIF-1がCOX4のサブユニット発現を調整し、、COX4-1減少に必要なCOX4-2やLON、ミトコンドリアプロテアーゼのtrascription活性化をもたらすCOX4-2をreciprocalに調整する。
COX4サブユニットを操作することでATP産生、酸素消費、ROS産生が影響されると言うことで、COX4 subunitのスイッチは、hemeostatic responseで、酸素濃度での呼吸の効率を最適化することとなる。
・・・ほ乳類細胞でもCOX subunit構成を変化させることで低酸素に対応している。ただ、真菌とは異なる機構のようである。
by internalmedicine | 2007-04-06 15:20 | 呼吸器系