膿胸の初期治療にストレプトキナーゼを含めた胸腔洗浄を!

膿胸の相談をうけることが多いのですが・・・ほとんどに初期治療に問題があると思われます。


“never let the sun set on a pleural effusion”


“胸水は日没までほっとくな”ということで、診断・治療に迅速性が重要!
もっとも重要な疾患が膿胸であり、手遅れになるととても難渋するのですが


日本では、膿胸の記載でも緊急性の一言が無く、治療の緊急性に関して認識が甘いのではないかと・・・

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ストレプトキナーゼの胸腔内洗浄についても認識が甘いのでは・・・


Intra-pleural fibrinolytic therapy versus conservative management in the treatment of parapneumonic effusions and empyema (Cochrane Review)
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4つの研究で、RCTサイズが小さく(足しても104名)である。
pooled dataで入院期間、解熱までの時間、レントゲン所見の改善、手術必要性に関しては有意差があったが、必ずしも共通したものではなかった。
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ということで、検討が必要ということで

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Intrapleural Streptokinase for Empyema and Complicated Parapneumonic Effusions American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 170. pp. 49-53, (2004)
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単一施設タンダム化偽薬対照トライアル
胸腔内チューブへのストレプトキナーザ注入が膿胸の手術やアウトカムを改善するかどうか
53名の患者(膿性成分吸引81%、微生物学的培養62%、平均浸出液pH ± 0.4)
抗生剤使用、供給チューブドレナージ、1日1回洗浄(生食かストレプトキナーゼ入り(25万単位))を4.5 ± 2 日(n=22)と生食(n=22)を3 ± 1.3日
治療中1名死亡。臨床的成功と手術考慮がおもなアウトカム測定
3日後両群間差異なし。7日後、ストレプトキナーゼ治療患者では成功率82% vs 48%(p=0.01)で、手術考慮は45% vs 9%(p=0.02)
レントゲンや機能的差異は6ヶ月後はない
膿胸に対する胸腔内チューブドレナージに治療的ストレプトキナーゼ投与は手術の必要性を減少させ、臨床的治療成功をもたらす。
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by internalmedicine | 2004-06-28 12:31 | 呼吸器系  

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