2型糖尿病のIL-1受容体拮抗剤の効果

2型糖尿病の病態進行のメカニズムを理解する上ではとてもおもしろい知見と思うが、薬剤としてはどうなんだろう?




β細胞機能は糖尿病の罹病機関が推移するとともに低下する。apoptosisによるためというのが一部考えられる理由である。
IL(interleukin)-1は、前炎症性サイトカインだが、β1型糖尿病の炎症性β細胞破壊effector moleculeとしてに関与。β細胞の機能低下とapoptosis促進性に働く。IL-1を産生するβ細胞が2型糖尿病でもみられる。
培養条件下で、高血糖はβ細胞産生とIL-1遊離を促し、機能障害とapoptosisを生じる。この所見はランゲルハンス島内の炎症性メディエーターの産生が2型糖尿病の病態に役割を果たし、IL-1がβ細胞量や機能に関して重要であることを示す。
そこで、2型糖尿病への病態進展予防としてIL-1対策
・・・となったという

Interleukin-1–Receptor Antagonist in Type 2 Diabetes Mellitus
NEJM Volume 356:1517-1526 April 12, 2007 Number 15

IL-1受容体拮抗剤、type I 受容体に結合したIL-1と競合阻害を生じるものでヒトのβ細胞を糖誘導性機能障害・apoptosisから守る作用がある。IL-1受容体拮抗剤の発言は2型糖尿病の患者から得られたβ細胞で減少している。
仮説としてIL-1受容体拮抗剤とIL-1のバランスに介入することでβ細胞機能の改善と糖コントロールが果たせるかの治験

【方法】二重盲験平行群トライアル(70名の2型糖尿病)
34名:anakinra(組み替えヒトIL-1受容体拮抗剤)
13週1日1回皮下投与

36名:プラセボ


経口耐糖能試験(ブドウ糖0.3g/体重kg静注、グルカゴン0.5mg、アルギニン5g)
35名にhyperinsulinemic-euglycemic clamp試験施行

プライマリエンドポイント:糖化ヘモグロビン
セカンダリエンドポイント:β細胞機能、インスリン感受性、炎症性マーカー

【結果】
13週にて、anakinra群では、糖化ヘモグロビン値はプラセボより0.46%低下 (P=0.03)
Cペプチド分泌促進(P=0.05),
プロインスリン/インスリン比減少 (P=0.005)
IL-6減少(P<0.001)
CRP減少(P=0.002).

インスリン抵抗性、骨格筋インスリン調節性遺伝子発現、血清アディポカイン値、BMIも両群で同様であった

有症状性の低血糖はみられず、薬剤関連副作用は認められていない

http://clinicaltrials.gov/show/NCT00303394


筋生検は外側広筋で行い、、OGTT直後に採取
GLUT4、PPARγcoactivator 1α(PGC-1α)のmRNA定量化
pdf

by internalmedicine | 2007-04-12 07:35 | 医療一般  

<< “臓器再生≠胎児臓器発達”:肝... 鶏の卵より昆虫などのウイルスに... >>