医師臨床実地講習時のコミュニケーション講習

Difficult Patientってのが年々多くなり
わたしは、Difficult familyってのが日本では問題のような気がする。
自分のことでなく、家族のことを感情的に・・・この分にかかるコストが医療生産性を非常に低くしている・・・その上に、遺族感情を重視しすぎる・・昨今の司法判断はその生産性の低さを助長しているように思える。

日本の労働生産性、米の7割・05年、主要国で最低

 日本の労働生産性が2005年時点で米国の7割程度と、主要国で最低水準にとどまっていることが内閣府の分析で明らかになった。就業者の多い卸・小売業、運輸などサービス分野で低迷が目立ち、米国との同分野での格差は2000年以降広がっている。IT(情報技術)の活用や規制緩和で差がついた可能性があり、日本経済の成長力強化へサービス分野の効率化が必要になりそうだ。
[4月11日/日本経済新聞 朝刊



ただ、医療側、医師の問題もあるのも事実・・・コミュニケーションスキルの貧困さの問題となるだろう。これが元で、患者・家族、医療機関側にとって非常に生産性のない時間を消費する事例はいくらでもある


Using Bedside Rounds to Teach Communication Skills in the Internal Medicine Clerkship
Med Educ Online [serial online] 2007;12:1 :http://www.med-ed-online.org
160人年の学生、15の施設産科
75/160(47%)の学生がpost-clerkship surveyを完遂
コミュニケーション・スキル全員向上し、特異的なコミュニケーション対処法も取得

内科の臨床実習学生にとって、異なる文化、difficult patients、死生期の患者、薬物依存などの患者など複雑な状況への対応が必要とされ、患者には診断的正確性だけでなく、鍛え上げられたコミュニケーションスキル、人間性、人格レベルでの対処法なども必要とされている。
医師の患者とのコミュニケーション能力と治療アウトカム(満足度、コンプライアンス、臨床マーカー、医療過誤クレーム)と相関するという報告がある。
医学部のカリキュラムにおいてコミュニケーションのコースが有ったが、1/2年次に教えるのが普通で、Clerkshipとなてからはその技術は低下している可能性がある。
そこで、Clerkshipの時のベッドサイドの時にこの技術講習を行った効果をみた。
その結果、満足いく結果がえられた。


臨床実地でコミュニケーションというのを考え直す機会が与えられるということはその後の医師としての成長に多大なる影響を与えることとなるだろう。日本で行われている医療コミュニケーション技術の講義・評価などは“聴診器を人肌で暖める”などの表層的な儀式に終わっている気がするのだが・・・

コミュニケーションスキルは経験がこの場合はものをいう部分もある

研修医の頃その頃は許されていた外来バイトに行き、外来患者として来たほんもののやくざの絡まれたことがあった。先輩医師が手助けに来てくれて、そのやくざを一喝、「あんまり、うちの若いものを困らせるなよ」・・・そのやくざはその後は殊勝な患者へ一変・・・格好いぃなぁ・・・とその先輩医師を今でも尊敬している。患者との関係というのはいろんなコミュニケーションの取り方があり、一方的に下手にでていても駄目だったのだ。

by internalmedicine | 2007-04-13 08:51 | 医療一般  

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