あらたなイギリスにおけるウシ関連感染症?Mycobacterium bovis(ウシ型結核菌)ヒト・ヒト感染の証拠
2007年 04月 14日
このウシ型結核の問題の発端は消毒されていない牛乳・乳製品
論文を見る限り、この結核症は例外的な状況で時折小規模の集団感染を繰り返しているようである。
Mycobacterium bovis(ウシ型結核菌)ヒト・ヒト感染の証拠
"Mycobacterium bovis tuberculosis: forgotten but not gone"
Thoen CO, LoBue PA
Lancet 2007; 369: 1236-1237.
いずれも乳製品との関連が取りざたされていた。
New YorkでもM bovisが結核症の35名から分離され、メキシコ系移民やヒスパニアンの子供ということで同様に消毒されてない乳製品との関連があった。
イギリスのケースは疫学的にルーチンの検査とサーベイランス活動から明らかになったもので、この後20名の患者がMidlandsで見つかり、DNA fingerprinting(MIRU-VNTRとspoligotyping)で評価されたもので、培養種をもつ患者の追跡やインタビューをおこなったもの
20名の内、6例が識別困難なものであり、全例イギリス生まれの若年者
5名が肺疾患であり、1名が髄膜炎で死亡、4名が結核への移行の可能性の状態である
すべての患者がBirminghamから10マイル以内であり、2つのバーやナイトクラブにいずれも関連を持つ人たちであった。
6名中5名が男性で、診断時31.7歳平均、一人は家庭内での接触
4名がステロイド使用、一人がアルコールmisuse、IDDM、HIV感染であた。
しかし、一人のみ牛と接触し、未消毒牛乳・チーズを食していた。
6名の比較的若い患者群はひとかたまりの感染ルートである。
疫学調査によりヒト・ヒト感染にて感染が広がり、感染伝播とその後の発症は宿主側要因(ステロイド使用、アルコール、HIVなど)や環境要因(換気不良、騒音と喫煙環境(咳誘発しやすい環境)の暗所における長期・繰り返し接触)が要因としてあがっている。
ウシ結核の感染コントロールは今後も継続するとのことである。夜のクラブ活動が伝播要因となることも医療関係者は気にとめる必要があるだろう。
わたしゃ、夜のクラブ活動きらいなのでよくわからない
受動喫煙も嫌いだし、わかいねぇちゃんにわざわざ高い金をだして相手してもらう意義もよくわからない・・・私と同好の輩も少なくなく、繁華街に落とす金があったら、パソコン買うという意見に同意・・・その上に、インフルエンザ・結核・・・飛沫核・飛沫感染をいただき・・・っていったらその業界の人たちからおこられるだろうか?
それにしても、牛関連の病気ってのは多い・・・牛乳飲用などは歴史的にもかなり古いはずだが牛結核症が人間界のヒト・ヒト感染として定着していないのは免疫学的な応答が人間にはもともと備わっているのだろう。歴史的に知らず知らずの間に、宿主的な免疫不全や環境的要因が組み合わさり、時々、集団発症を繰り返していたのかもしれない。
by internalmedicine | 2007-04-14 11:39 | 感染症