伝染性紅斑の皮疹

内科のため、数年ぶりにしか遭遇しない疾患だが、成人例の特徴に関してはなんか思い入れをもってしまう。個人的な見解(成人例では、大腿外側部と腹部特に脇腹あたりのレース状発疹のみの事例が多く、かゆみを伴うことが多いのではないか)を持っている。

伝染性紅斑(erythema infectiosum)の皮疹というのはレース状と呼ばれるが見たことがないとわからない独特なものである。しかも、写真にとると飛んでしまう・・・

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リンゴ病の名前が普及しすぎてるため、顔面紅斑にこだわり疾患見逃しがおおいのではないか?当地では久しぶりに流行しているようだ。成人の伝染性紅斑は典型的発疹パターンをとらないか、特徴に乏しいことが多く診断が難しい・・・多くが見逃されているのではないかと思う。内科というのは普段見慣れない発疹性疾患をさらに非典型的事例で診断しなければならないのでその診断を難しくする。

当地での以前の流行は数年前であり、久々にまとめて事例を経験したが、やはり以前も思ってたとおり、成人例では掻痒を伴う例もあるようで、薬疹などとの鑑別も困難となりそうである。
eMedicineを見ると、“Pruiritus is rare.”と書かれているが、納得できないので検索したらやはり有った
There are some reports of itching. http://www.dermatologychannel.net/viral_infection/erythema_infectiosum.shtml


ヒトのparvovirus B19(PV-B19)によるもので発疹は、古典的な三相性の発疹
Skin (first stage): 紅斑はたたかれたように頬に現れ、明るい紅斑が突然出現し、口・眼周囲は少ないという特徴で、鼻周辺が著明。日焼けに類似したり、時には浮腫上となり、2-4日で消失

Skin (second stage): 1-4日の頬骨発疹があるうちに、紅斑性な斑状・麻疹様発疹が四肢に広がり、手掌、足底にまでひろがることがある。掻痒症は稀

Skin (third stage): 数日経過すると、第二期の発疹はレース状となり、四肢近位側に特に著明である。"slapped-cheek disease”(頬ひっぱたかれ病)という異名をもつのだが、その命名とは異なり、この網状パターンこそが発疹性感染症のうちでも明らかに特徴的所見で、夕いつの疾患特異的な所見である。この第三期は三日から三週間続く。消失し始めた後、発疹は物理的刺激、たとえば運動、日光、温入浴、ストレスで再出現する


成人例では第二・三期のみが出現することがあり、また、その所見が軽度であるのが特徴と思われる。そして、わたしの経験では、掻痒を伴うことも多いと思う。決して稀ではないと思っている。


【関節症状】PV-B19感染成人例では急性の多関節症が発疹性感染症として出現するより多く、多関節症が典型的前駆症状とともに始まり、いくつかの皮膚所見を伴う場合があるが単に全身性の関節痛としてのみ現れることもある。新規発症対称性関節痛としての臨床症状が多い。
関節症は女性に多く、日・月単位続く。手指・手関節、肘・膝関節の症状が多い。
リウマチと異なり、終日悪化し、日内変動が少ない、関節破壊は少ないなどの症状である。
DR4組織適合性遺伝子との関連も認識されている。


この感染症はPV-B19によるものであるが、Parvoviridaeは最も小さいDNAウィルスに属し、一本鎖DNAで、周りにエンベロープされてないicosaphedral capsidが取り囲む。PV-B19は分裂盛んな細胞とGloboside糖脂質の受容体が必要で、まず最初のターゲットとして赤血球細胞をとする。その結果、ヒトの赤血球系の前駆細胞、他のまれなgloboside受容体への結合によりウィルス感染による合併症を生じる。・・・成人のaplastic anemiaなどとの関係
高リスク:妊娠、免疫系異常・血液疾患




症例ごとに共通する特徴を教科書などで確かめ、気づいた小さなことがら・・・そんなところが臨床のおもしろみなのだが・・・

by internalmedicine | 2007-04-18 09:25 | 感染症  

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