C型肝炎漢方治療無効 in US

小柴胡湯の間質性肺炎という副作用が問題になって以来日本では慢性肝炎の漢方治療はかなり減ってるのではないかと思います。

米国ではC型肝炎への漢方のRCTが行われ、何の効果もなかったことが判明しました。

有症状性C型肝炎治療の漢方のランダム化トライアル
A Randomized Trial of Chinese Herbal Medicines for the Treatment of Symptomatic Hepatitis C
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/short/164/12/1341
Arch Intern Med. 2004;164:1341-1346.
【序】HCV感染患者はインターフェロンベースの治療で成功するとは限らない。
漢方がアジアでは多く処方されており、多くのUSの患者も使用している。しかし、この治療薬の有効性をサポートするデータは限られており、知る限りUS国民で出版されたトライアルは無し。
【結果】QOL変数(Hepatitis Quality of Life 質問紙)に影響あたえず
ALT、HCV-RNA値にも影響あたえず、有意差なし


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医薬品の有効性というのが確認されて初めて認可されるもんですが、日本では質の高い治験が必ずしも必要でなかった以前の薬剤認可のため生き残っている薬剤が多いと思います。ことに漢方ではそのようなものが多く
医療用漢方のうちどの程度が質の高いエビデンスがあるのでしょう。漢方医療の保険適応をいったん白紙にもどしてエビデンスのあるものを再認可する方向性でないと、いつまで待っていても漢方の質の高い外的エビデンスというのは出てこない気がします。

考え方に基づく漢方製剤についてのエビデンスが集積しつつある状況なので、次第にその素地は固まっているはずです。

by internalmedicine | 2004-06-29 11:03 | 感染症  

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