終末期医療

自己学習用のメモ

“末期患者の延命治療中止に関して医師の責任免責は検討されていない”ということが改めて述べられた。“見識者による検討会”(厚生労働省「終末期医療に関するガイドライン策定検討会」)出席者である川島孝一郎医師が、フジテレビ系の朝の番組で述べていた。終末期医療は本来の目的とは違う、大病院でしか判断できないチーム判断が求められ、在宅下の終末期医療はこの世から無くなることをこの人たちはちょっとも議論しなかったのだろうか?川島氏は在宅医療の代表者であったはずなのに・・・


このガイドラインの実効性は消えたと私は思った。大部分の医者はこれまで通り自己保護的生命維持優先の医療を継続することだろう。医師の免責を無視した安楽死を強要する患者家族との間で医師はなやみ、患者家族との関係をさらに悪化するガイドラインとなるだろう。


米国下院で可決された米国での終末期のDecision Makingを見つけた。
End-of-Life Decision Making
American Academy of Physician Assistants Sunday, April 22, 2007

EOLの法律上の定義(アメリカでの・・・)
Suicide(自殺): the intentional taking of one's own life.
Assisted suicide: providing information, medication (or other means) or direct assistance that enables a person to take his or her own life. The final action remains with the person who wishes to die.
Euthanasia(安楽死): deliberately bringing about the death of another to spare the individual suffering. In this context, a painless and humane death delivered to a person who is terminally ill.
Passive euthanasia(消極的安楽死): the act of withdrawing support or intervention necessary to keep a patient alive, such as unplugging a ventilator or stopping parenteral feeding.
Active euthanasia(積極的安楽死): direct intervention by another person to cause death, for example, by injecting a lethal dose of a drug.
Voluntary euthanasia: performed on a patient who has made clear the wish to die, but is unable to act on it.
Double effect euthanasia(二重結果安楽死): provision of palliative treatment that may have fatal side effects; i.e., steadily rising doses of morphine, intended to control pain and agitation, also "inadvertently" hasten death by depressing respiration.
Terminal sedation(終末期の鎮静): after removal of life sustaining devices, a person is heavily sedated for comfort until death occurs.
Advance directive(事前指定書): explicit instructions and guidelines regarding an individual's desires for treatment, comfort, and resuscitative efforts in the event of terminal illness or incapacitation.




医療従事者関連

医師、医療補助者、他の医療関係者たちにとって、患者の死は複雑な、そして、苦労の多いイベントで、たくさんのそう反する思想と感情を引き起こすものである。臨床医は医師個人、職業的な完全性と価値感を維持しつつ、情緒的、倫理的、合法的な事象に向き合わなければならない。患者と医療従事者の関係は相互の義務、不確実性、報償システムを具有するものであり、両側に死というイベントが影響を与える。片側の信念・価値観というのは多かれ少なかれ互いに影響を与える。死生期にある患者のケアをする人たちは、患者自身の(死に対する)姿勢を綿密にすることで、ケアの種類に影響を与えることとなる。


日本では、臨床医の権限制限に世論が移っているようであるし、いわゆる識者もその意見に同調しているようである。だが、上述の採択文では、多くの研究で、医師の価値・信念・情緒的な健康というのがケアへ与える影響を肯定しており、約20%程度がその選択を変更’(JAMA. 1992 Apr 15;267(15):2101-4. )し、生命維持装置撤去拒絶はわずか2%程度(NEJM Volume 322:309-315 February 1, 1990 Number 5 )であったとのこと。

患者の意思尊重することは当然として、患者の家族が、患者の代弁者として果たして100%正しいのだろうか?“Patient and Family Concers”の項目で書かれている。
・患者・家族にとっての最初の質問として、「今の状態は終末期ですか?」というものであり、次の質問は「後どれくらい時間が残ってますか?」というものである。。しかしながら、この答えは満足のいくほど明確なことは少なく、予想外の回復と言うこともあり、不可能である。その答えが患者・医師関係の敵対的関係となることもある
・「痛みますか?それをコントロールするため鎮静や意識をなくすこともありますか?」というものである。痛みより(コントロール不能を多くの患者はおそれるN Engl J Med. 1992 Nov 5;327(19):1380-4.
・3番目は費用の問題
・将来の不確実性、痛み、経済問題に直面し、集中的な医療介入以外のものを考え始める。疼痛コントロール以外の治療を拒否し始める患者もいる。自殺・なんらかの安楽死を選択するものもいる。
・医療補助者たちは、事前指示書とliving willを用意し、それを議論することを拒否してはいけない。
・事前指示書・living will署名拒否の場合は、特定の家族あるいは友人に委任状制定を推奨する。



“アメリカの生命倫理の基準は西洋人、白人、中流の人たちの偏っており、人種・文化ごとにその価値観は異なっている。生命維持を強く要求する可能性があり、minorityでは事前指示書を利用することが少ないという報告がある”ということも忘れてはならないようである。



厚労省が延命治療中止で指針…医師の独断避ける

 厚生労働省は9日、末期がんなど治る見込みのない終末期の患者に対し、医師が延命治療を中止するプロセス(過程)を明示した指針をまとめた。
 指針案を議論してきた有識者による検討会が同日、ほぼ原案通り了承したもので、終末期医療に関する国の指針は初めて。懸案の医師の免責基準は盛り込まれていない。同省は、若干の文言を修正した上で、この指針とその説明を加えた解説編を全国の医療機関に周知する。

 指針は、終末期医療の進め方として、医師の独断を避けるため、医師らによる十分な説明と患者の意思決定を基本とすることが最も重要な原則と位置づけた。その上で、治療開始や中止について患者の意思決定を踏まえて、医療チームで慎重に判断するよう求めた。

 治療方針の決定は、患者の〈1〉意思が確認できる場合〈2〉意思が確認できない場合――の2通りに分け、〈1〉では患者の意思を基に医療チームが決め、その合意内容を文書に残すこととした。合意した内容が、時間経過などで変化することもあるので、患者に再確認することが必要と明記した。

 〈2〉の場合、医療チームが慎重に判断するが、家族が患者の意思を推定できる場合は、その推定意思を尊重し、できない場合は、何が最善の治療方針かを医療チームが家族との話し合いで決めるとした。〈1〉、〈2〉のそれぞれで合意できない場合は、医療チームとは別に設置された、複数の専門家による委員会が、検討・助言する。

 今回の指針は、延命治療中止の手続きを明示しただけで、延命中止の判断の根拠となる患者の状態「終末期」の定義や、具体的な治療中止項目などは含まれていない。このため、指針に注釈をつけた「解説編」を添え、医療現場で混乱が予想される終末期の判断などを医療チームで行うことなどを強調した。

 今回の指針では、医師が殺人罪で刑事訴追されない基準には触れず、解説編に「引き続き検討していく」との文言が盛り込まれた。厚労省は、今年度、新たに終末期医療に関する調査検討会を設置し、刑事訴追をめぐる問題も話し合う方針だ。

 指針は、昨年3月に発覚した富山県射水市の病院で入院患者7人が人工呼吸器を取り外され、死亡した問題をきっかけに作成された。昨年9月の指針案に盛り込まれた、筋弛緩(しかん)剤の投与などで患者を死なせる「積極的安楽死」について、「医療としては認められない」とした文言は、削除された。(2007年4月10日1時45分 読売新聞)

by internalmedicine | 2007-04-22 08:33 | 医療一般  

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