自己血圧測定
2007年 04月 26日
最初からoffice hypertensionもしくはwhite hypertensionを疑い、ライフスタイル指導と血圧測定1日2回を初めてもらった
2日前、夜の血圧を測定において、前日血圧が高かったことを気にして受診前日、さらに血圧上昇
本人の訴えでは「夜間であり、対処法を考えるとさらに不安になったとのこと」
“高血圧だけでは普通死にませんよ!運動したら上の血圧なんて200以上あがるわけだし、血圧が高くて急変する人はもともとの病気が関与しているわけだし・・・”などと説明して、血圧にだけで頭痛などの症状が出るわけではないし、血圧を気にしすぎるとストレスとなり血圧上昇して悪のスパイラルに陥ることも説明していたのだが・・・
測定器具はやすくなり、だれでもはかれるようになった。そして医者も自宅での血圧測定を勧め、健康関連施設や役所関係にも血圧測定器具がおかれる時代
そうすると、血圧に対して、非科学的一家言をもつ自称専門家が大量発生、すべての病気は高血圧で成り立つというトンデモ理論を吹聴しはじめ、ちょっと血圧変動にもストレスをもつ一般人がふえてきた。
温泉施設や役場、薬局などにおいている血圧測定器具というのは、不安をあおるだけで有益性より有害性が大きい・・・そんなところではかった血圧値というのは正確であるはずもない。
「fight or flight response(闘争あるいは逃避反応)」として知られる古典的なストレス経路により制御され、古代における野生生物や戦争での反応の代わりに現在の日本では内因性ストレスの影響が大きくなるのである。エピネフリンやコーチゾルを分泌して、心臓のhyperkineticsや血管収縮などを引き起こす。
心血管リスクとしてストレスがあがっているが、ストレスの定義が多岐にわたりすぎ、はっきりとした結論は出しにくいという報告をオーストラリアの専門家たちは述べている。(参考:http://www.mayoclinic.com/health/stress-and-high-blood-pressure/HI00092)
血圧測定によって引き起こされる不安ストレスは一過性なのかもしれないが、血圧によって引き起こされる様々な病態が頭によぎり、さらに不安のまま血圧測定を頻回に行う。
この“血圧測定”スパイラルは臨床の現場で頻回にみられる現象である。
朝・夜、血圧だけ測定、その時は、なんの解釈も行うな!
血圧の値が数日たまったときにちょっと考えてみる程度にすること!
・・・そんな指導をしている。
白衣高血圧だの逆は白衣高血圧だの、職場高血圧だの・・・・ということで、血圧に対する恐怖をあおる連中には以前からムッと・・・(http://intmed.exblog.jp/m2005-07-01/#2112831)
by internalmedicine | 2007-04-26 10:05 | 動脈硬化/循環器