あまりに安直な往診する医者=良い医者という考え

“私たちが理想とする開業医とは、地域の人びとから信頼され、往診や夜間診療をいとわず、切り傷、風邪からがんの早期発見まで幅広く対応できる人だ。”

“厚労省は、この方向に誘導するための施策も用意している。24時間体制で往診に応じる開業医には診療報酬を手厚くし、外来だけに特化し往診に取り組まない医師の報酬は抑え込むことにしている”(毎日新聞 2007年5月6日 0時53分


厚労省が馬鹿なのか、報道している毎日新聞が相も変わらずアホなのか・・・

往診と訪問診療の峻別ができてない
往診をイメージだけでとらえている:往診=良い医者という馬鹿の一つ覚え

往診を頼まれることが開業時よくあった。だが、ほとんどがその必要性のないもの

・あまりに重症なものは転院が必要で、そのまま救急車を呼んでもらった方が迅速に対処できた事例
・死後の突然の往診依頼
・注射をひたすらしてもらいたいという希望のための往診依頼


ザルソカイン注やメチロン注などで解熱を急激に行っていた時代のノスタルジーがあるようであり、現在においては、ほとんど無意味どころか有害であるノスタルジーである。軽症でも医者を呼ぶというスタンスは往診料を相当高額に設定しない限り無くならないだろう。もし低額に設定されたら医療機関側のインセンティブが働かないし、実際に無駄だらけの往診に費やす時間に他の患者さんたちの診療ができるのである。

最近の事例は、風が強く外が寒いから、医者に来てもらった方が楽というものも経験した・・・


それに対して、訪問診療下の緊急対処依頼は意味のあるものが多いという経験をしている。



厚労省は“往診”の実態調査をしているのであろうか?
往診という、診療上、時間的にも、検査効率、治療効率からいっても、非効率的なシステムをほんとにメインに持って行こうとしているのだろうか?

訪問診療などの在宅医療と往診をはき違えているのではないだろうか?・・・おそらく、毎日新聞の勝手な妄想と思うのだが・・・


「高齢者アパート」運営、往診や介護という別のビジネスモデルが立ち上がっているらしい。食堂、ヘルパーらによる24時間安否確認サービスで、国の制度を活用した「高齢者向け優良賃貸住宅」で、「食事と夜警付き高齢者アパート」というらしいのだが、往診という美名で結局形をかえた療養病棟の出現である。

記者クラブ機能を利用した“往診美化”妄想はこういった厚労省の思惑、そして、今後予想される病院の会社経営の手助けなのだろう。新聞記者たちも利用されているのかもしれない・・・馬鹿故に・・・


“私たちが理想とする新聞とは、地域の人びとから信頼され、妄想を根拠に記事を書かず、現実の調査をに基づいて、社会、政治、医学まで、正しく報道するメディアである”


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メディアってのは・・・ホントに何様
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070506
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/05/481022yosyan_dc24.html



日医が指摘 厚労省の報告書「エビデンスない」 内田常任理事「具体的内容を欠いている」と批判
日本医師会は4月24日、厚生労働省が医療構造改革の方向性を示すためにまとめた報告書「医療政策の経緯、現状および今後の課題について」に対して、「医療費抑制の姿勢で貫かれており、現場を混乱させ医療の荒廃を招きかねないもの」とする見解を発表した。同日の定例会見で内田健夫常任理事は「エビデンスに乏しく、思い付きといっていい内容になっている。喫緊の課題に対しての具体的内容を欠いている」と批判した
(中略)
 厚労省は報告書で「在宅主治医」の必要性を指摘しているのに対して内田常任理事は、「人頭払い制度につながると考えており、フリーアクセスを阻害する仕組みは明確に反対したい」と述べた。さらに、「24時間対応で頑張っている医師の評価は非常に重要だが、一般開業医のコンビニ化を求められては地域の医療の疲弊につながる」とも指摘した。
  医師のへき地勤務の義務付けについては、「現場は切迫した状況にあると認識しているが、義務付けには違和感を覚えている。義務付けではなく、インセンティブを働かせる仕組みが必要」と説明した。
  厚労省の報告書ではこのほか、急性期病院に患者が集中し勤務医に過度の負担がかかっていると指摘している。これに対し内田常任理事は「勤務医の負担増の大本は国の医療費抑制策がもたらしたと認識している。負担軽減には医療費を増やすしかない」と主張した。

「総合医に公的資格」は事実誤認 -日医、新聞報道を否定

 日本医師会は同日の定例記者会見で、「総合診療に公的資格」とする一部一般紙の報道に対して「事実誤認である」との見解を発表した。
(後略)


これほど厚労省が記事クラブという広報機関を使って揺さぶっているところをみると、厚労省は、外来診療費の激減を謀っているのだろう。日医の激しい抵抗にあって・・・というポーズか?
いずれにせよ後期高齢者医療の綱引きが背後にあり、医療費削減の部分をめぐっての攻防といったところか?

厚労省は医療の現場を全く考えてないことは間違いないし、まともな調査をしたこともなければ、するきもないのだろう。冒頭の毎日新聞のアホ記事・解説のように、もっとも無駄と思われる、患者のわがままに基づく往診をあつくすればするほど、医療の崩壊は進むのだと、現場にいる私は思う

by internalmedicine | 2007-05-07 09:50 | 医療一般  

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