ICS+LABA同時吸入>それぞれの単剤吸入 ・・・ の根拠論文
2007年 05月 07日
ちょっと納得
Enhanced synergy between fluticasone propionate and salmeterol inhaled from a single inhaler versus separate inhalers.
J Allergy Clin Immunol. 2003 Jul;112(1):29-36.
作用機序はやはり補完・相乗作用という説明
分子レベル、受容体レベル、細胞レベルでとのこと
・LABAの気道平滑筋への影響、マスト細胞メディエーター遊離抑制、粘膜浮腫減少
・ICSの抗炎症作用、気道過敏性の減少作用
受容体レベルで、corticosteroidはヒト肺でのβ2アドレナリン作動性受容体transcription増加、呼吸器粘膜でのβ2受容体合成増加をもたらす
LABAは、リン酸化メカニズムを通して不活性化glucocorticoid受容体を最大化させ、ステロイド依存性活性化を回復させる。
in vivoのデータでは、fluticasone propionateを投与した場合は、glucocorticoid receptorの核内translocationを増加させるという知見がある
後はイラスト化された細胞内のよく見る説明
・ステロイド感受性システム、気道平滑筋chemokine合成、T細胞・好酸球apotoptosis
・salmeterolのステロイドのpotency増強作用があり、気道上皮サイトカインやchemokine遊離、微生物に対する呼吸粘膜のcytoprotectionは単独より併用の方がより効果的
・fluticasone単独に比べて、fluticasone+salmeterolのCD3+とCD4+T細胞のへの抗炎症相加的効果が見られる。
・3ヶ月観察にて、高用量ステロイドと比べて、低用量ICSとsalmeterolの場合は血管数減少が見られる。ICS+LABAの効果としてはこのangiogenesisへの影響も考えられ、結果的にremodeling抑制的に働く可能性
薬剤沈着パターンの問題
当たり前だが、併用だからといって、pharmacokineticsやpharmadynamic interactionには影響を与えない。breath-to-breath変動があり、合剤の方が同等の分布という面で有利なのかもしれない。
薬剤の相互作用を同等量であれば発揮しやすい
by internalmedicine | 2007-05-07 17:40 | 呼吸器系