グループ診療

政府は、失敗したサッチャー政策を日本でおこなおうとしている,]頭がおかしいのではないか?これから取り返しのつかない20年が阿部政権のもと行われようとしている。人頭払いが念頭にあると思われるレセプト電子化とその情報にもとづく情報統制(しかもその費用は医療機関に強要)、そして、開業医24時間体制の準義務化の導入である。

日本で導入しようとしている制度は、米国のような
(米国における定額化(PPS/DRG)を導入の失敗の末)、地域の開業医を囲い込んで外来グループ診療や日帰り外来外科手術などのような病診連携の新しい形を模索し始めた。  病院と契約している開業医は、通常、午前中は自分の診療所で1日10人程度の患者を診て、午後は病院に行って外来診療あるいは手術を行う。さらに週に何回かは自分の受け持ちの入院患者の回診を行う(http://www.syg.co.jp/dhs/index03.html
という違う制度で、開業医をGP化させて、入院・救急を主にみる病院とを2分割しようとするものである。米国の制度とは異なることをまずはっきりすべきである。ウェブやメーリングリストや研究会での議論にこれと混乱した記載が見受けられる。

Group Practiceの定義は"2名以上の医師が合法的に組織化されたもので、パートナーシップ、専門会社、基金、非営利企業、専門医療プラン、連合によるもの”
合法的な範疇とならなければならい。



日本で導入しようとしている制度は“総合医”という振り分け機能の特化した医師が根幹である。GP機能をどこまで要求するかが問題。医療費削減したい厚労省はく高度医療以外まで広げることを考え、医師会はいまの高齢医師ができる程度までの比較的低レベルの機能を考えることとなるだろう。厚労省の考えに従い諸手を挙げている勤務医はいつものごとく足下をすくわれることとなるだろう。

さて、現実には、診療を行っている医療機関は、政府・厚労省への対応のため準備せざる得まい。・・・まことに、残念なことだが・・・

診療所グループ化にはどういうものがあるか考えてみた。

・巨大病院が核となる診療所群
・チェーン病院のクリニック
・病院サテライトクリニック
・地域公立病院や医師会立病院と関連の深い診療所群

・資本がばらばらな個人や法人が一法人となる
・ゆるやかなグループ化
・きちんとした規約をきめてのグループ化
・ゆるやかな結びつき
勉強グループの延長



どのような診療モデルが形成されるのだろうか?“おやまの大将”の開業医たちがはたしてうまく連携できるか?

分野や時間など限定的な結びつきなのだろうか?
どの程度の人数のグループが適当なのか?

・・・そういう疑問がでてくるのだが、すでに勉強しているグループがあるようである。

“欧米におけるソロプラクテイス(従来の1診療所完結型の診療形態)からグループプラクテイス(グループ診療)への転換”の議論がしばらくつづくのだろう
(参考:http://www.na.rim.or.jp/~chikusa/hyoshin.htm

以前から
かかりつけの医師等が,他の医療機関との有機的連携の下に治療あるいは他の医療機関への紹介を行なうことができるよう,またいわゆるかかえ込みを防止する意味をかねて,オープンシステム型病院の導入,異なった規模,機能をもった医療機関の相互契約によるグループ化あるいは医療機関の団地化(メディカル・ビルディング)等につき検討を行なうこと,また,患者を他の医療機関に紹介する際のルール(送付すべき医療内容についての説明資料,費用負担等)作りを行なうこと(http://wp.cao.go.jp/zenbun/kokuseishin/spc04/toushin/spc04-toushin-2_5.html
という一見うまくいきそうなグループ化が叫ばれていた。

ビル診療所などでの失敗を見聞きする機会も増え、グループ化の多くの試みがその後の成功の追報なく経緯している。
、グループ化診療の究極である地域在宅輪番である鹿屋方式の行き詰まりがある。

モデルとなっているUKの報告では全く逆の結果が出ている。グループ化など規模が大きいほど患者満足度が低下するのである。
一つの理由はアクセスしやすさだが、日本は“病院へアクセス”が容易すぎるのではないのだろうか?


UKのthe Royal College of General Practitionersというところで、10500名の事業所があり、平均リストは6000名、その医療事業所の22%が単独で、2名以上の事業所が1991年68%で、その割合が増えてきている。2004年には77%と増加してきている。
UK The Fifth Report of the Shipman Inquiryではグプープ診療に比べ単独GPの方がその臨床的パフォーマンスが劣っているというエビデンスは存在しない。
すべてを単独で質の高い臨床レベルを満たすGP事業所はあり得ないはずということと事業所の大きさと質に関しては相関がなかったということがこの報告で加えられている。
しかし、患者は一人あるいは少数の事業所を好む

1995年の研究では、小規模事業所を好み、個人リストシステムを有し非トレーニングセンターを好むという研究結果であった。なぜなら小規模施設の方がアクセスしやすく、患者満足度が高いという理由であった。
UKでは診療所規模が大きいほど患者満足度が低下するという結果であった。The British Journal of General Practice v.56(525); April 2006


イギリスで小規模医療機関、特に個人でやっている開業医の方が、患者満足度が高いことはグループ診療=これから進むべき道という考えが必ずしも正しいとは限らないと言うことを示している。





ところで、お医者さんたち・・・以下の、ありがたいお言葉で、明日からガンバる活力が沸いたでしょう(苦笑)

「医療上の過失で医師が逮捕されたケースが4件しかないと知り、驚いた。過酷な勤務状況は分かるが、プロである以上、『精いっぱいやりました』ではすまないはず」(東京都の塾経営、木下茂樹さん(57)

月6回の当直程度で(大変だからと)医師をやめてしまうのか

『ありがとう』の言葉がないからくじけそうになるというのは、ひ弱すぎる

医師免許更新制度により国民の信頼を得る」


「国立大を卒業した医師には診療科の選択に制限をつけ、不足がないよう定員枠を設けるべきだ」


「(国が計画する)『総合医』を支援し、夜間休日の診療を担う人材を育てよ

医の現場 疲弊する勤務医 番外編 読者からの反響 読売新聞

by internalmedicine | 2007-05-14 08:14 | 医療一般  

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