Narrative Review:線維性筋痛症

Narrative Review: The Pathophysiology of Fibromyalgia
Ann Int Med 15 May 2007 Volume 146 Issue 10 Pages 726-734

線維性筋痛症はびまん性の筋骨格痛、18の特異的圧痛点を特徴とする慢性の疼痛疾患で、家族集積性があり、US住民の約2%(女性3.4%、男性 0.5%)をしめる(日本でも同等と厚労省研究班)。1990年にAmerican College of Rheumatology committeeで診断クライテリアが確立したわけだが、この症候群の原因、治療、明確な臨床的範疇に関するコンセンサスが得られていない。

この疾患群に関して医者が無知であると批判する向きが多いが、むしろ、こういう状況なので情報が少ないのが当たり前と考えても良いと思う


central pain processingの症候群ではないかというとらえ方がある。慢性の広範な疼痛の惹起理由・機序は不明だが、あらゆる状況での共通のfinal pathwayが働くように考えられる。
状況とは、不安、うつ、身体化人格、身体的、心理的トラウマ、ある種のウィルス(B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス、HIVなど)


仮想的病的説明として、末梢組織、たとえば筋肉の異常を含め、脊髄内の疼痛課程の変化、中枢神経系の疼痛調整の変化、neurotransmitter、神経内分泌異常、精神的関連などが考えられる。



上行性の疼痛径路.
CおよbAδ線維を介して脊髄へ、そして二次求心路として集まり、脊髄視床路へ
視床からのニューロンは、体感覚皮質へ知覚情報として

疼痛の感覚識別処理において、帯状回や辺縁系のような他の皮質中枢にも伝わり、感情・情緒情報として処理される

by internalmedicine | 2007-05-15 08:41 | 運動系  

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