麻疹対策(個人的まとめ)

麻疹に関しては、いろんなところであつかわれているので、いまさらながらだが・・・インフルエンザに関する騒動と同じで、

医療機関での麻疹対応:pdf(国立感染症研究所 感染症情報センター)
<注意事項>
1.麻しんワクチンの緊急接種にあたっては、接種不適当者*(成人の場合、妊婦等)に接種することがないよう、十分な配慮を行い、問診(任意接種麻しんワクチン問診票)、診察の上、接種が可能と判断したものに対して、接種を行う。
【接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者〉】
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
1.明らかな発熱を呈している者
2.重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
3.本剤の成分によってアナフイラキシーを呈したことがあることが明らかな者
4.明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者
5.妊娠していることが明らかな者
6.上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者


2.麻疹患者との接触後72時間以内に麻しんワクチンを接種することによって、発症を予防できるとの報告あり(ただし、流行時は、それ以前にウイルスの曝露を受けている可能性が高く、間に合わない場合もあることを周知しておく)。
3.麻疹患者との接触が疑われる場合は、麻疹の潜伏期間が通常は10-12日間であることより、麻疹ウイルス曝露後5日から20日の間は発症する可能性があると考え、発熱を認めた場合は、外出を避け、あらかじめ麻疹ウイルスに感染している可能性を伝えた上で速やかに医療機関を受診する。接触者が医療従事者の場合は、麻疹感受性者(麻疹に対する免疫を保有しないもの)との接触がないように、勤務体制の変更を行う。
4.麻疹の疑いで医療機関を受診する場合は、あらかじめ医療機関に電話等で連絡を行い、その他の患者との接触がないように十分に配慮すること。
5.医療機関到着時は、待合室に入る前に、病院スタッフに連絡し、指示を受けることが必要である。



保育園・幼稚園・学校等での麻疹患者発生時の対応マニュアル:pdf(茅ヶ崎竜ヶ崎保健所)


ワクチンの種類:JOHACを参照

任意接種としてMRワクチン、麻疹単抗原ワクチンのいずれも接種可能

抗体に関しては・・・。EIA法でIgG抗体が(+)であれば抗体有りと判定して差し支えありません感染症学会 施設内感染Q&A

意見(東京都立駒込病院小児科 高山 直秀先生
麻疹ワクチン未接種で,麻疹未罹患ないし既往歴不明の成人に麻疹ワクチン接種を勧める。
  成人の麻疹感受性者数を減らし,成人社会での麻疹流行を阻止する。これにより社会 経済上の損失も予防できる。なお,成人に麻疹ワクチンを接種する前に,麻疹の既往歴 を確認する目的で抗体検査をする必要はない。



・・・ただし、雇用時に確認できていなければ速やかに確認し、抗体陰性か不十分な場合は、ワクチン接種を勧めるほか、接種から6週間後に抗体ができているかを改めて確認することも重要という(キャリアブレイン)連中もいるので、混乱を配慮する必要がある。

暴露後予防ワクチン:暴露後72時間以内だと、ワクチンにより予防するというエビデンスが存在する。故に、免疫不全状態に接触する人はこの予防方法が重要となるだろう。(eMedicine:ポップアップ宣伝があるので注意!)



臨床像はIDSCを参考に

非典型的な経過をとる麻疹
 i)修飾麻疹(Modified measles):
  麻疹に対して不完全な免疫を持つ個体が麻疹ウイルスに感染した場合、軽症で非典型的な麻疹を発症することがある。その場合潜伏期は14~20日に延長し、カタル期症状は軽度か欠落し、コプリック斑も出現しないことが多い。発疹は急速に出現するが、融合はしない。通常合併症はなく、経過も短いことから、風疹と誤診されることもある。以前は母体由来の移行抗体が残存している乳児や、ヒトγ-グロブリンを投与された後にみられていたが、最近では麻しんワクチン接種者がその後麻疹ウイルスに暴露せず、ブースター効果が得られないままに体内での麻疹抗体価が減衰し、麻疹に罹患する場合(Secondary vaccine failure)もみられるようになった。


 ii)異型麻疹(Atypical measles)
 現行の弱毒生麻しんワクチン接種以前に、生ワクチンの発熱率が高く、不活化ワクチンと併用されていた時期があった。不活化ワクチン接種2~4年後に自然麻疹に罹患した際にこの病態(異型麻疹)がみられることがある。4~7日続く39~40℃台の発熱、肺炎、肺浸潤と胸水貯溜、発熱2~3日後に出現する特徴的な非定形発疹(蕁麻疹様、斑丘疹、紫斑、小水疱など、四肢に好発し、ときに四肢末端に浮腫をみる)が主症状で、Koplik斑を認めることは少ない。全身症状は1週間くらいのうちに好転し、発疹は1~3週で消退する。回復期の麻疹HI抗体価は通常の麻疹に比して著明高値をとる。発症機序はホルマリンで不活化された麻しんワクチンが細胞から細胞への感染を予防するF(fusion) 蛋白に対する抗体を誘導することができなかったことあるいは不活化ワクチン由来のアレルギーによると推論されている。異型麻疹と修飾麻疹とは全く別の病態であり、現在わが国では異型麻疹の発生はない



急性感染の判断: 麻疹 IgM (SRL参照

既感染の判断: 麻疹 IgG(MBC参照




医師会FAXから・・・・
麻しん(はしか)に関するQ&A
平成19年5月30日作成
I 麻しんに関する基礎知識
I-1 麻しんとはどんな病気ですか?
「A]麻しんは麻しんウイルスによって引き起こされる一般に小児期に多い急性の感染症として知られていますが、本年には、10代、20代の若年者間での感染が多く見られ、社会的にも関心を集めています。
  麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。また、麻しんウイルスは、ヒトからヒトへ感染すると言われています。
  感染してから約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。
 肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。
  かつては小児のうちに麻しんに感染し、自然に免疫を獲得するのが通常でした。近年、大きな流行が少ないことから成人になるまでに麻しんに罷ったことがない場合や小児の時に予防接種をしたという場合でも、大人になって感染する例が目立ってきました。

I-2 麻しんはどうやって予防するのですか?
   麻しんワクチンの予防接種が有効です。また、麻しんの患者さんに接触した場合、72時間以内に麻しんワクチンの予防接種をすることも効果的であると考えられています。接触後5、6日以内であればγ-グロブリンの注射で発症を抑えることができる可能性がありますが、安易
にとれる方法ではありません。詳しくは、医師とご相談ください。

I-3  近年の麻しんの流行はどのような状況ですか。今年の流行も含めて教えてください。
[A]麻しんは毎年春から初夏にかけて流行が見られます0過去10年の推移を見ると、2001年に大きな流行がみられ、その後は徐々に患者数は減少していました。
   本年は、小児(15歳未満)の患者数は例年に比べ、それほど増加しておらず、2007年5月現在2001年の約10分の1の程度です。しかし、成人(15歳以上)の患者数は2001年時と同じ程度に上っています。
   また、今年はこれまで主に東京都と埼玉県など首都圏で流行がみられていますが、徐々に全国に拡がりつつります。
   麻しんの流行状況に関する情報は、国立感染症研究所感染症情報センターのホームページで確認することができます。国立感染症研究所感染症情報センターのホームページアドレスは、
  (htt□:/idsc.nih.go.1□disease/measlesindex.html)です。

I-4 なぜ今年、10代から20代の人を中心に流行したのですか?
[A] かつては小児のうちに麻しんに感染し、自然に免疫を獲得するのが通常でした。しかし、麻しんワクチンの接種率の上昇で自然に感染する人は少なくなってきています。
  10代から20代の人たちの中には、今まで一度も麻しんの予防接種を受けていない人がいます。そのうえ、そもそも予防接種は、一度で十分な免疫が獲得できるとは限らず、麻しんワクチンを一回接種しても、数%程度の人には十分な免疫がつかないことが知られています。今回は、そのような人達の間で麻しんの流行が起きたものと考えられています。
  さらに、麻しんワクチンの接種率の上昇に伴って、麻しんの患者数が減り、麻しんウイルスにさらされる機会が減少しました。そのため、幼少時にワクチンを接種した現在の10代から20代の人は免疫が強化されず、時間の経過とともに免疫が徐々に弱まって来ている人がいることも原因の一つと考えられています。

I-5 妊娠しているのですが麻しんの流行が心配です。
  どうしたらよいでしょうか?
[A].妊娠中に麻しんに罷ると流産や早産を起こす可能性があります。
 妊娠前であれば未接種・未羅恵の場合、ワクチン接種を受けることを検討すべきですが、既に妊娠しているのであればワクチン接種を受けることが出来ませんので、流行した場合は外出を避け感染者に近づかないようにするなどの注意が必要です。

Ⅱ 予防接種について
Ⅱ-1予防接種はどれくらいの効果があるのですか。副反応はあるのですか?
[A]麻しん患者の1000.人に1人の割合で脳炎が発症すると言われている麻しんに対し、そのワクチンを接種することによって、95%以上の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。
   ヮクテン接種後の反応として最も多くみられるのは発熱で、接種した人の約13%が接種して2週間以内に発熱を来します。その他にはじんま疹が約3%に、発熱に伴うけいれんが約0.3%にみられます。稀な副反応として、脳炎・脳症が100万~150万人に1人以下、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)が100万~200万人に1人みられます。
   なお、麻しんワクチンは、ニワトリの胚細胞を用いて製造されており、卵そのものを使っていないため卵アレルギーによるアレルギー反応の心配はほとんどないとされています。しかし、重度のアレルギー(アナフイラキシー反応既往)のある方は、その他の成分によるアレルギー反応が生ずる可能性もあるので、接種時にかかりつけ医に相談してください。

Ⅱ-2 過去に麻しんに罹ったことがあるのですが予防接種を受けるべきでしようか?
[A]今まで麻しんに罹ったことのある人は免疫を持っていることから、予防接種を受ける必要はありません。

Ⅱ-3 10代、20代で麻しんが流行しているようですが、ワクチン接種を優先的に受けた方が良いのはどのような人ですか?
[A]「麻疹にかかったこともなく、ワクチンを1回も受けたことのない人」は重症になり易いので、流行地域においては、ワクチンの接種は定期予防接種の対象者に加え、未接種・未羅恵の方が優先されます。また、麻しんが流行し、ワクチンの需要が増大している時期においては、定期の予防接種対象者のうち、特に1期の生後12月から24月までの方が優先されます。

Ⅱ-4 麻しんの予防接種を受けるのに、単独の麻しんワクチンの替わりに、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)を接種しても健康への影響に問題ありませんか?

[A]麻しん感染防止対策としては、MRワクチンは単独ワクチンと同様の効果が期待されます。
  また、麻しんワクチンの替わりにMRワクチンを接種することにより健康への影響が大きくなることは通常ありません。ただし、MRワクチンは、風しんのワクチンも含まれていることから、妊娠している方は接種を避けることはもちろんのこと、妊娠されていない方は、接種後2ヶ月程度の避妊が必要です。おなかの赤ちゃんへの影響を出来るだけ避けるためです。
  また、麻しんの単独ワクチンの接種に当たっても、妊娠している方は接種を避けるなど同様の注意が必要です。

by internalmedicine | 2007-05-16 11:45 | 感染症  

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