男性乳ガンの特徴

男性乳ガンは増えており、若干の女性との違いがあるようです。
他施設研究で数が多いので、比較的信頼のおける結果です。

Breast carcinoma in men A population-based study
Cancer Volume 101, Issue 1 , Pages 51 - 57
男性乳ガン患者は多い疾患ではない。多くの研究が単施設シリーズでかなり限られたサンプルである。頻度、特徴、予後、生存率、乳ガンが男女で如何にことなるかなどの知識のギャップを埋めるのに役立つのが目的。
【結果】研究の数年を経て、男性乳ガンの頻度は人口10万あたり0.86→1.08(P<0.001)と有意に増加。男性は診断時メディアン年齢が高い(P<0.001)、リンパ節侵襲しやすい(P < 0.001)、診断時ステージが進んでしまう(P<0.001)、エストロジェン受容体(ER)陽性が高い(P<0.001)、プロジェステロン受容体(PR)陽性が高い(P=0.001)。
多変量解析では、腫瘍サイズやリンパ節の大きさが生存率低下と相関。腫瘍病期やER/PR状況は独立して予後と関連してないように思える。男女の病期による相対生存率は同様。【結論】レアな疾患のままだが、男性乳ガンの頻度は増加しつつある。疫学的、生化学的特性の違いが男女である。
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男性乳ガンが増えている原因として電磁波などという意見もありますが・・・Evidence不足・・もともと数が少ないので・・

薬剤性の女性化乳房はざらに診ますが、鑑別が重要

by internalmedicine | 2004-07-01 15:27 | 内科全般  

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