“蘇生装置をはずそうよ”という圧力を議論しはじめたアメリカ vs 蘇生装置をつけたら絶対外せない日本

終末期を法令で規定するな!という米国などの考えと違い、医者を悪者ときめつけ、医療判断を司法判断に置き換え、処罰しようとし続けている。


医療業務をしているだけで逮捕の危険性が増加する昨今だ。

逮捕・送検リスクの高い業務をえらぶ医者の気が知れない!・・・と言わざる得なくなってきた!

それにしても、あいもかわらずの、国・厚労省・司法のとぼけた態度・・・

和歌山県立医大 呼吸器外し88歳患者死亡 殺人の疑いで県警 医師を書類送検
東京新聞
 和歌山県立医大病院紀北分院(同県かつらぎ町)で二〇〇六年二月、家族の希望を受けて、延命措置を中止するために女性患者=当時(88)=の人工呼吸器を外し、死亡させたとして、県警が殺人容疑で五十代の男性医師を書類送検していたことが二十二日、分かった。

 延命治療の中止が刑事事件となる例は少なく、今後は和歌山地検の判断が焦点となる。県警は「悪質性は低い」として刑事処分を求めない意見書を付けており、家族の希望があったことや病状などを考慮し、起訴が見送られる公算が大きい。

 延命治療の中止と刑事責任の関係は、国や医学界に明確な取り決めがなく、早急なルールづくりが求められそうだ。

 厚生労働省は「報道でしか承知しておらず、和歌山県を通じて情報収集したい」としている。


救急医療における終末期医療のあり方に関するガイドライン案(抜粋)など検討中にもかかわらず、警察は送検するのである。


全国の病院では
一度挿管されたら絶対に外すことは許されないということ
が確定しているのである。

ついでに言えば、今回のガイドラインは救急部がある病院だけを念頭に置いており、それ以外の小規模病院・診療所は念頭になく、ガイドライン策定されても、同様に、挿管されたEOL患者はひたすら多大なる医療費負担が続き、患者のQOLなど関係なく、生命維持続けざる得ないのだ。感情論のみの生命維持絶対主義者に牛耳られていることも感じる。


医っぽい、アメリカの呼吸器系ジャーナルには、医療従事者側が生命維持装置を外すようし向けているのではないかという問題提起がなされている。

The Pressure to Withhold or Withdraw Life-sustaining Therapy from Critically Ill Patients in the United States
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 175. pp. 1104-1108, (2007)
特定の状況下では生命維持を制限するようプレッシャーをかけることは適切だろうが、そうでない場合もある。



このような場合の多額のコストは家族に向かうことは確かであり、米国ではよりシビアな議論がなされているだろうと思うのだが・・・医療制度がアメリカに比べれば増しなので、日本ではまだまだ、現実離れした感情論が跋扈するのだろう。

by internalmedicine | 2007-05-23 07:28 | 医療一般  

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