老人の娯楽運動中断要因

身体運動というのは、糖尿病患者や心血管疾患のリスク減少に役立ち(J Appl Physiol 99: 1193-1204, 2005)、凝固系、栓溶系、血小板へ好影響を与え(Arch Intern Med. 2003;163:2368-2392.)、老人においては炎症性パラメータへの好影響(Circulation. 2002;105:1785.)もある。認知機能への好影響(JAMA. 2004;292:1454-1461.)もある。

運動というのは大事で、そういう認識を国民にあたえることは大事だ。しかし、官僚の都合の良いように(国民の健康をだしにして、官僚の権益のために)、強要される制度・資格というのに嫌悪感を感じる。そして、介護保険下の“パワーリハ”のような個別化を無視した“リハビリテーション”もどきを行うことに、嫌悪感を感じる。

厚労省の天下り・・・>運動指導者という資格に付随した権益:財団法人 健康・体力づくり事業財団

厚生労働省:健康:運動施策の推進:Web

健康づくりのための運動指針2006(エクササイズガイド2006)(PDF
健康づくりのための運動基準 2006(PDF)

英訳(PDF


  お笑いのなか、役人主導で、命名きまった“エクササイズ”単位(第3回運動所要量・運動指針の策定検討会議事録
中島参事官 最終的には先生方の御意見を踏まえて決めさせていただきますが、最近、メタボリックシンドロームという概念をマスコミでも取り上げていただいていまして、正直言って最初は本当に定着するのかなと言っていましたが、今や、メタボリック、メタボという言葉がかなり定着していて、商品名にすらなっているような状況です。 そういう意味では、メタボ、内臓脂肪というものが危険因子なのだということが国民の中にポピュレーション・アプローチとしても定着しているのかなと。その中で、我々としては、「一に運動、二に食事、しっかり禁煙」という運動をやってきたと。その運動で、単位というときに、学問的に何が正しいのかということとともに、国民の中で、意識され会話にも出て、そしてそれが自分たちの行動に即反映されるようなわかりやすさというものが要るのだろうという感じがしていて、そういうことをぜひともこの運動
指針でねらいたいなと思っているわけです。
 それで、「エクササイズ」という言葉を使わせていただいたのも、概念的に生活活動という部分が入らないじゃないかとか、そもそも単位性、量的な概念を内包している言葉ではないのではないかということは、おっしゃるとおりなのですが、例えば、「1エクササイズ」、「2エクササイズ」と口に出していただくことによって、エクササイズ――体を動かすということがその言葉を使うたびに国民の意識の中に出てくるということが、私はこの「エクササイズガイド2006」のねらいなのかなと思っておりまして、その意味では、必ずしも「エクササイズ」という言葉にこだわるわけではないのですが、この単位を使うことによって国民が常に体を動かさなければならないということがスッと頭に入る、そういう呼び名にしていただけると、「一に運動、二に食事、しっかり禁煙」と言っているときのポピュレーション・アプローチ等に有効なのかなと思って、事務局としてはこういう言葉を使わせていただいたということでございます。




対象となるべき老人において娯楽運動中断要因となるのは・・・なにかという日本の研究

Predictors of Cessation of Regular Leisure-Time Physical Activity in Community-Dwelling Elderly People
Gerontology Vol. 53, No. 5, 2007
多変量回帰分析にて3つの変数が同定された
・女性 1.67, 95% CI = 1.13-2.47)
・喫煙 2.34, 95% CI = 1.33-4.13
・歩くスピードが遅い  1.79, 95% CI = 1.07-2.98


たばこは心肺機能と関係しているだろうし、ウォーキング・スピードが遅いというのは、運動耐用能や筋肉の質・量の問題に関わるだろう。
女性の好みにあった、低心肺機能対象者やもともと閉じこもり気味の対象者に対する個別化された指導、そういった運動が開発されるべきであろう。

by internalmedicine | 2007-05-25 15:23 | 医療一般  

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