NEJM(アメリカ) vs the Lancet(イギリス) チアゾリジン系薬剤の心副作用問題
2007年 05月 26日
うがった見方をすれば、GSKはイギリスの企業であり、The LancetでもこのGSKに関わる薬剤の研究取り上げられることが多い。方や、NEJMは名ののごとく米国にあるわけで、GSK・The Lancet vs NEJM・FDAという対立・・・
そこにアクトス(武田・日本・経団連)は、PROactiveではthe Lancetの掲載されている。アクトスPROactive試験速報・・・・異議ありとの話)など、イギリスBMJは、アクトスにも慎重な判断を求めていた。
Lancetのエディトリアル(PDF)掲載
UKでの新聞で“糖尿病薬が心臓に危険を及ぼす健康上の警告”という見出しで報道されていたようだ。FDAは5月21日"safety alert"をだし、GSKのrosiglitazoneに重大な関心を持っていると表明。
NEJM誌のトーンは、差し迫った感じであった。エディトリアルのBruce PsatyとCurt Furbergは処方の合理性に疑問を呈している。しかし、それに対してGSKは“強く反対”の姿勢を示している。
信頼できる研究としては、ADOPT(NEJM)とDREAM(The Lancet)のデータがある。
DREAMは5269名の成人で、MIとMI/卒中/心血管疾患イベント率は0.6%(vs 対照 0.3%)、1.2%(vs 対照 0.9%)で、何れも有意差無し。
ADOPTは4350名名で、rosiglitazone治療群でうっ血性心不全超過発生が示されている(22 vs 9)
イベント数が少ないが、rosiglitazoneの安全性に関してよる信頼できる情報が求められている。FDA、医師・患者に関してはRECORD(心血管アウトカムイベント phase III)の結果まで待つべき。RECORDの結果がdるまで、NEJM著者・エディターは認識しているごとく、メタアナリシスの過剰評価の可能性があるのである。
パニックを避けるため、rosiglitazoneの安全性への慎重な熟慮あるアプローチが必要。
by internalmedicine | 2007-05-26 12:00 | 動脈硬化/循環器