複雑な仕事をしてた人は惚けにくい

Complexity of Primary Lifetime Occupation and Cognition in Advanced Old Age
Andel et al. J Aging Health 2007 19 (3), p. 397

【目的】
主な仕事の内容の複雑さと老年期認知機能の関係を調べたもの
【方法】386名のスウェーデン委員会(Swedish Panel Study of Living Conditions of the Oldest Old)で、77歳国内サンプル。MMSE短縮版利用

職業上の複雑性:
対データ: Synthesizing 0.5%、Coodinating 9.5%、Analyzing 26.4%、Compiling 14.0%、Computing 22.8%、Copying 7.7%、Comparing 19.2%

対人: Mentoring 0.5%, Negotiating 0.5%, Instructing 1.6%, Supervising 1.3%, Diverting, Persuading 2.8%, Speaking or Singing 23.6%, Serving 37.3%, Taking instructions 31.9%

対物: Setting up 0.0%, Precision working 1.6%, Operating 31.3%, Driving 9.3%, Manipulating 10.4%, Tending 8.8%, Feeding or offbearing 8.6%, Handling 30.0%


回収率は95.2%
【結果】
年齢、性別、子供の頃の社会経済状態、教育補正後、仕事におけるDataとPeople要因は良好なMMSEスコアと相関がある。
Data要因とMMSEの相関は教育補正後統計的に有意


【議論】主な職業の複雑性が老年期の認知機能低に反映する。
教育・職業状態に独立したもののようである。


2004年Smythらは、知的でなく運動量の多い職業では、人種、性別、誕生年、教育補正後、アルツハイマー病と診断される可能性が高い。2005年Andelは年齢、性、教育レベル補正後より複雑な仕事に就いていた方がアルツハイマー病罹患が少ないことをみいだした。
同様なレポートが双生児対照分析でも示されている。
"use it or lose it"(Katzman 1995、Orrell&Sahakian 1995)(脳は使わなければ、馬鹿になる)とされる仮説が支持されているようである。

by internalmedicine | 2007-05-27 07:38 | 医療一般  

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