腰椎変性脊椎すべり症手術:神経根症状改善効果ははっきりした

脊柱管狭窄の非手術的治療で軽度改善があり、椎間板ヘルニア患者と対照的である。脊柱管狭窄症の好ましからざる予後が重要な手術対象の要因であり、選択された対象が必要ということになる。

では、腰椎変性脊椎すべり症はどうか?

腰椎椎間板症の患者は非手術治療で改善傾向があるが、手術トライアルにおいて小程度改善がみられたという報告がある。

脊椎の手術(Back Surgery)というのは持続性腰背部痛に対するすべての患者の共通の治療法というわけには行かない。特異的な症状の組み合わせを有する特異的な解剖学的な問題点に対する特異的な治療と言うことにつきる。病変部位を注意深く同定した上ではじめて、患者への期待できる治療を提供できるわけである。

Spinal fusion surgeryは、構造上の問題や痛みを生じる動きを解決するため行われ、
2004年において30万件以上1600万ドル以上が費やされている。laminectomyや椎間板切開を神経根圧迫解除目的や膝関節置換術や他の費用まで考えればかなりの費用に及ぶ・・・外来ベースlubar diskectomyを含んでいないというほど国家的医療費の問題を含むとされていた。

NEJMの2つのトライアルにて、背部痛・下肢痛は手術により改善したが、背部痛より下肢痛の改善がより急速であり完全となること多い。故に神経根関連症状の改善に手術は大きな役割を果たすだろう・・・とのエディトリアルコメント

Surgery versus Prolonged Conservative Treatment for Sciatic
N Engl J Med. Volume 356:2245-2256 May 31, 2007 Number 22
重症座骨神経痛283名に対し、microdiskectomy手術 vs 保存治療+イベント時手術というStrategyで比較したランダムトライアル

早期手術群は回復急速で、下肢痛の改善も急速。1年後のアウトカムは同様で、両群95%が回復のまま



Surgical versus Nonsurgical Treatment for Lumbar Degenerative Spondylolisthesis
N Engl J Med. Volume 356:2257-2270 May 31, 2007 Number 22
腰椎変性脊椎すべり症( Lumbar Degenerative Spondylolisthesis)に対して手術療法と、非手術療法を比較。データは基本的にランダマイズ化されておらず、as-treated analyesにて比較。2年フォローアップ間に、手術治療された患者は疼痛・機能改善が大きい。非手術の方は中等度の時間経過による改善えられた。




腰椎脊柱管狭窄を伴うすべり症は主に老人の疾患であり、椎間板ヘルニアを伴う場合が多い。加えて、diskectomyよりfusion surgeryが侵襲度が大きく、合併症可能性も高い。手術合併症は80歳以降急激に増加し、リスク・ベネフィットの問題に帰結することも大事

instumented vs non-insturumetの問題もある。未だ結論づけられてない。



追) 基本的知識が間違えているかもしれない・・・ので、ご高配を!

by internalmedicine | 2007-05-31 09:49 | 運動系  

<< 腸管絨毛に存在するMyosin... 家庭など頻回血圧測定による有害性 >>