マラソン低ナトリウム血症を理解しよう
2007年 06月 16日
“多くの人は運動中実際どの程度汗をかいているか知らない、汗からどの程度水分喪失されているか単純な検査は体重測定であり、それを補うは大事”
ちょっとしつこいと自分でも思ってるのだが、マラソン → 脱水 ・・・というあまりに単純すぎる発想で、あらたな問題を引き起こしている。
スポーツドリンクの宣伝や表記を考え直してほしいものだ・・・と思ってるが・・大塚など大手は水商売をアミノ酸、BCAAなどに方向転換しているようである・・・さすが・・・「機を見るに敏」である。
だが、一般大衆に残存する、水を飲めばよいという誤解はなかなか払拭できないだろうし、不勉強なスポーツ指導者や医療関係が、この誤解のリザーバとなっている現状。
水分摂取制限でなくナトリウム摂取を勧めているアホサイトもあるくらいで・・・
Runners: Let Thirst Be Your Experts advise endurance exercisers to rely on thirst as a way to limit excess use of water
(Georgetown University Medical Center News Release)
Joseph G VerbalisがClinical Journal of Sports Medicine に記述している。
EAH(exercise-induced hyponatremia;運動誘起性低ナトリウム血症)の病態の理解が必要
・ ボストンマラソンでは13%
・ 多くの例では軽症で、自覚無し
・ 水分量に関する大衆の印象は腎臓のデータに基づくものでなく、多くの誤解がまかり通っている。
・ EAHは運動中の過剰の飲水によるもので、運動中の水分制限をすることで予防できる
・ 4時間以上の持続運動で主に生じ、1-2時間程度の持続運動ではリスクは少ない
・ 塩分・カリウム・炭水化物を含むスポーツドリンクは、それに特定の添加物を含むものだけであって、水よりスポーツドリンクを飲用することが低ナトリウム血症を予防するという誤解が流布している。
・ EAHは、腎臓の排泄能より多くの水分摂取を運動中行うことで生じる。そもそも脱水時に胎内水分を維持するよう、下垂体から分泌されるAVP(arginine vasopressin )が働き、どの程度排泄するかを規定するというシステムが働いている。安静時、AVP値は低く、十分な水分量を引水したときにゼロに抑制される。しかし、1時間を超える運動中は、脱水でなくてもAVP値は増加する。
・ 腎臓は運動中では、AVPの水分排泄促進作用は安静時最大排泄量より低下する。。運動中過剰水分摂取は故に非常に危険。
・ 筋肉由来のIL-6はAVP分泌を刺激する可能性(Exerc Immunol Rev. 2001;7:18-31.)
・ Verbalisは1985年以来、100例超のケースで少なくとも8名の致死例を報告、マラソン中6-7ポンド体重増加では水分排出困難例と判断
・ マラソン中は、脱水からの有意な健康リスク問題が生じない、体重の4-6%の脱水であることが必要
by internalmedicine | 2007-06-16 09:38 | 運動系
