頭をつかうスポーツは頭が悪くなる 続編
2004年 07月 03日
わたしのBlog:頭をつかうスポーツは頭が悪くなる?続編
やっぱりヘディングは脳へ相当ダメージをあたえる。
Brain Injury Volume: 18 Number: 9 Page: 899 -- 909
2つの脳ダメージ生化学的指標:S-100BとNSE (neurone-specific enolase)濃度の解析
サッカープレイヤーのゲーム内容との比較
S-100B、NSEともに試合前に比べ試合後有意に増加 (S-100B: 0.118 ± 0.040 µg L-1 vs 0.066 ± 0.025 µg L-1, p < 0.001; NSE: 10.29 ± 2.16 µg L-1 vs 8.57 ± 2.31 µg L-1, p < 0.001)
試合後-試合前濃度差はS-100B濃度でヘディングの回数と相関(r = 0.428, p = 0.02) し、外傷イベントの数と相関(r = 0.453, p = 0.02)
【結論】競技エリートサッカーはS-100BやNSE濃度増加となる。ヘディングの回数がS-100濃度増加と相関する
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S-100たんぱく質は主として、アストログリア細胞細胞質の主要な部分を占める酸性たんぱく質であり、カルシウム結合能を有する神経系特異たんぱく質の1つと考えられています。・・・分子量 21KDa であり、α鎖とβ鎖の2種のサブユニットで構成・・・・S-100ββはグリア細胞とシュワン細胞に、S-100αβはグリア細胞、S-100ααは横紋筋、心臓、腎臓に見い出されています。
脳脊髄液のS-100β濃度は頭部外傷、大脳低酸素症、大脳出血、虚血性脳卒中後の脳損傷の程度を推定するための指標として有用であるとする報告があります。また、最近になり、血中 S-100βの上昇が脳における虚血、梗塞、出血及び重症頭部外傷時の脳損傷度と相関し、これら疾患の予知に有効な指標であることが報告されています。
by internalmedicine | 2004-07-03 12:16 | 医学