小児のエレベータ事故
2007年 06月 20日
この報告(http://www.toshiba.co.jp/tech/review/2007/05/62_05pdf/a05.pdf)だと、ドアに挟まれる(32%)、ドアに引き込まれる(28%)、ドアにぶつかる(10%)、レベル段差につまずく(14%)、停止時ショック(2%)とのこと・・・ドア周りの事故が約7割ということは予想通り・・・だが、気になるのは、小児・幼児への配慮がこの報告書では全くなされていないということ。
アメリカのエレベータ小児事故の報告
Elevator-Related Injuries to Children in the United States, 1990 Through 2004
Clinical Pediatrics 2007, doi:10.1177/0009922807300232
USにおける1990-2004年のエレベーター関連事故の研究
後顧的コホート分析( National Electronic Injury Surveillance System of the US Consumer Product Safety Commissionを利用)
1990-2004年の間に、29030のエレベーター関連事故があり
平均年齢8.1歳(SD 6.1歳)、53.3%が体の傷害
The mean age was 8.1 years (SD, 6.1 years), with 53.3% of injuries among boys.
包括的外傷率は人口10万人対2.5
0-4歳で10万人対 4.2
5-19歳で10万人対 1.9
最も頻度の多い外傷は、体の一部が閉じるエレベーターのドアに挟まる場合で、上肢が多く、南部組織外傷がほとんど
こどもはエレベータ近くでsuperviseすることで外傷リスクが減少する
滑り、つまずき、転倒も多く、エレベーターとホールの間の段差によるもの
ほとんどすべてのの外傷が無視され、注目されることもなく、EDに必要なものは外傷のうちの5.4%とのこと
1-2歳程度の幼児は大部分をしめ10万対6.5人で、ほぼすべてがEDに運ばれ、ほとんどが閉鎖性頭部外傷や指・手などの外傷である。
ロジスティック回帰分析では、1歳以上に比較して乳児は閉鎖性頭部外傷頻度が高い93.4(95%CI 76.4-114.1)倍で、手に関しては12.2(95%CI 9.1-16.4)倍である。
by internalmedicine | 2007-06-20 17:14 | 医療と司法