骨粗鬆症:カルシウムはサプリメントより食事から摂取すべき

代替治療等に対して、盲目的なひとが洋の東西を問わず、多いようである。以下の報告なんか、私にしたら・・・当たり前のような気がするのだが、驚いている研究者もいるようである。


考えてみたら、人間を含め動物の体は抽出物などを吸収するようには体の構造はできてないわけだから、あくまでも食事由来の栄養成分摂取が基本のはず・・・それをバカみたいに構成成分のみを人工的に作り、それを食物より高い値段で売りつける・・・現状はそういう商売の無限連鎖を換金している商売が多すぎる・・・


サプリメントより食事からのカルシウムを取る方が骨密度増加には効果的という話

食事由来のカルシウムを摂取する女性、はエストロジェン代謝産物を含み、エストロジェン水酸化径路は骨塩homeostasisをpositiveにして、骨密度を増加させるのである。

"Effects of dietary calcium compared with calcium supplements on estrogen metabolism and bone mineral density"
Am J Clin Nutr 2007; 85:1428 -1433.
168名の閉経後女性でカルシウムに関してサプリメントと食事由来のカルシウム量、尿中エストロゲン代謝産物、椎体骨・大腿骨近位部骨塩を研究

結果的に、カルシウム摂取を
1)食事主体群(70%以上食事からのカルシウム摂取)、2)サプリメント主体群(70%以上をサプリメント)、3)食事・サプリメント混合群(それ以外)
で分類

食事主体群と食事・サプリメント混合群とも、サプリメント主体群より有意に非エストロジェン/エストロジェン代謝産物 (2-hydroxyestrone 1/16{alpha}-hydroxyestrone) 比低下 (P = 0.03)

補正BMD z スコアは食事主体群と混合群では、サプリメント主体群より椎体(P=0.012)、大腿頸部(P=0.02)、総大腿(P=0.003)、大転子間(P=0.005)骨において高値であった。

この相違は主に食事主体群で顕著で、カルシウム総摂取としては、サプリメントより食事由来の方が効果がある。




カルシウムはエストロジェン水酸化のの重要なmodulatorであり、エストロジェン活性代謝産物の産生に寄与する。カルシウム以外の栄養素がカルシウムを多く含む食物中に存在し、エストロジェン代謝に影響を与える可能性が示唆される。食事中のカルシウムのbioavailabilityに関わる影響など考えられる。

OTCや補助食品としてカルシウムは認められているが、能書き通りの効果があるかどうか疑問が投げかけられたことは確か

by internalmedicine | 2007-06-21 08:34 | 運動系  

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