高用量リピトールの方がジェネリック・シンバスタチンよりコスト効果が高い

厚労省というのはほんとにアホで、エビデンスに基づく医療を推奨すると建前では言いながら、財界・財務省からの圧力で、ジェネリックメーカーの主張に基づく一方的な、"generic product-based medicine"(或いは"keidanren-based medicine")を強要しつつあり、それをさらに強化するようし向けているのである。


“ジェネリックのシンバスタチンより、高用量のatorvastatinの方が長期コスト効果が高いというQALY研究”の結果をみてどう反論するのだろう。・・・というか、無視の一点張りだろうが?
(農水省の偽造牛肉ミンチに対する態度と同様に、無視か・・・)


国民の健康アウトカムを無視して、財務省・経団連の方ばかり向いている医療行政・・・暗澹たる気持ちになる。


デンマーク、フィンランド、ノルウェイ、スウェーデンでの研究(IDEAL)

Cost-effectiveness of high-dose atorvastatin compared with regular dose simvastatin
European Heart Journal 2007 28(12):1448-1453
IDEALトライアルは、高用量atorvastatinによる非致死的MI や冠動脈疾患死がより少なく(RR 0.89; 95% CI 0.78–1.01) 、majorなCVイベント(RR 0.87; 95% CI 0.77–0.98)、どの種類の冠動脈イベント(RR 0.84; 95% CI 0.76–0.91)でも少なかった。

トライアル期間中の費用推定し、Markov modelにてMIや血管再建術や長期コスト推定、QOL、死亡率推定、医療の直接コスト・間接コストを含む。

このトライアルのメインアウトカムであるQALYgainedは、高用量治療で、0.049年/患者、0.033QALYs gainedであった。

1 QALYあたりの推定コスト
47 197{euro} (Denmark)、 62 639{euro} (Finland)、 35 210{euro} (Norway)、 43 667{euro} (Sweden)





後発品の使用促進は政府サイドからのごり押しなので、もうこのながれを押し戻すのは難しいのかもしれない・・・厚労省や財務省関係・官邸サイドにはいくつも誤謬が含まれている。

革新的医薬品・医療機器創出のための5か年戦略(文部科学省・厚生労働省・経済産業省、4月26日)
く骨太の方針2007>
○イノベーションの適切な評価
(薬価)
革新的新薬の適切な評価、海外における標準的又は最新の治療方法の迅速な導入という観点と、医療保険財政の持続可能性等との調和を図る必要がある。こうした観点から、革新的新薬の適切な評価に重点を置き、特許の切れた医薬品については後発品への置き換えが着実に進むような薬価・薬剤給付制度にしていく。こうした観点から、関係業界の意見も聴きながら、具体的な制度のあり方について検討する。(平成19年度に検討、結論:厚生労働省)
医療・介護サービスの質向上・効率化プログラムに
ついて(厚生労働省、5月15日)<骨太の方針2007>
○後発医薬品の使用を促進(目標・指標)
・平成24年度までに、後発医薬品のシェア(数量ベ-スで16.8%〔平成16年度〕)を30%(現状から倍増)以上とする。


(政策手段)
①後発医薬品の信頼性の向上を図る観点から、以下の取組を推進する。
 情報提供体制の整備及び迅速かつ適切な情報提供の実施について、後発医薬品メーカーに対する指導の徹底を図る。
イ 安定供給や必要な規格の取り揃えに係る問題事例に対し、指導を着実に実施する。
ウ 品質、同等性等に関する相談に応じるとともに、必要に応じて試験検査を行い、その結果に
ついて、インターネット等を通じて関係者への情報提供の促進を図る。
工 国民や医療関係者がより安心して使用できるよう、先発医薬品との同等性等についてパンフレット等を通じた情報提供・啓発を図る。
②平成18年度薬価制度改革における処方せん様式の変更の効果について、中央社会保険医療協議会において検証し、その結果等を踏まえ、ひき続き効果的な後発医薬品の使用促進のための措置について検討を行う。


平成20年度予算編成の基本的考え方について
(財政制度等審議会、6月6日)
○医薬品のコスト構造
後発品の使用状況をみると、数量ベースで16.8%(2004年度)であり、米国・英国・ドイツの3分の1程度にとどまっている。先発品と後発品では成分や効能が同じでも1.5~3倍の価格差があり、先発晶を使用すれば、その分、患者負担に加え、保険料・税負担も増加することになる。現在、保険給付されている「後発品のある先発品」は金額シェアで36%(2005年の調査)もあり、単純に機械的な試算をすれば、これにより国民の負担が全体で約1.3兆円重くなっている。このように、薬剤費の削減余地は大きいと考えられ、後発品の使用促進のための方策をさまざまな観点から検討する必要がある。
○今後の改革の方向性
公的給付の範囲の重点化や負担能力に応じた公平な負担の確保については、当審議会としても、これまでも様々な指摘を行っているところであり、引き続き聖域なく検討していく必要がある(資料参照)。
(資料)先発品の保険給付の見直し後発品が存在する先発品について、公的医療保険給付は後発品の薬価の水準までとし、後発品との差

by internalmedicine | 2007-06-25 10:09 | 動脈硬化/循環器  

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