帝王切開増加をさらに助長する判決:出産で後遺症 医師らに1億3800万円支払い命じる
2007年 06月 27日
出産で後遺症 医師らに1億3800万円支払い命じる
朝日新聞 2007年06月27日
出産方法の選択を誤ったために男児が脳性まひになったとして、横浜市青葉区の両親と男児が、東京都町田市の町田市民病院の男性医師と、病院を経営する同市に約1億8000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、横浜地裁であった。三代川俊一郎裁判長は、医師の過失を認め、2被告に約1億3800万円の支払いを命じた。
判決によると、03年6月7日午後5時40分ごろ、医師は吸引分娩(ぶんべん)を試みたが効果がなく、同6時半ごろに帝王切開を行った。男児は仮死状態で生まれ、新生児低酸素性虚血性脳症で脳性まひになった。判決で三代川裁判長は「午後5時半ごろ帝王切開を選択していれば、障害は回避できた」とした。
同病院は「判決文を読んでいないのでコメントできない」とした。
Cesarean Delivery and the Risk–Benefit Calculus(NEJM Volume 356:885-888 March 1, 2007 )
ボストン市民病院のの10年前は約3%程度、最近は10倍以上に増えている。
自宅から病院出産への傾向、麻酔使用、人工受精など
帝王切開に関連したリスクが減少し、医師も患者もより安易な方向を選んでいるといわれても仕方がない状況も存在する。有害事象にたいするNNTが大きくても帝王切開を選ぶという状況。
鉗子や吸引分娩に関連する合併症データにより経膣分娩数を減少(1994年 9.5%→2003年5.6%)をもたらした。こういう処置を必要とするような分娩より帝王切開を選ぶ状況となったのである。
帝王切開後経膣分娩(Vaginal birth after cesarean:VBAC)はに関してはこの病院では、その頻度は減少している。
ref. 「VBACをするのでよろしく」と言われたら(慶應大学医学部麻酔科)
産科訴訟・裁判によりさらに産科は苦境に陥り、のこる産科医にさらなる負担と、医療事故を誘発するようなスパイラル現象・・・マスコミは医者が悪いというだけ、厚労省も医者が悪いと言い放置
by internalmedicine | 2007-06-27 12:14 | 医療と司法